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認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

最後のラジオ体操 しょうがとココアで暖まろう 認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。甘いココアで母はご機嫌。ジンジャー効果で、指の先までポカポカに。

※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません

バナナにかけるジンジャーココア

母との暮らしは規則正しい。朝5時過ぎには起床、もっと早いことはあっても遅くなることはない。7時前には朝食を済ませ、それから団地の周りをぐるりと散歩する。
月曜の朝、団地の集会所の前を通りかかったら、ラジオ体操が始まるころで、住民が続々と集まってきた。数年前、残念ながら団地の住人の1人が孤独死した。それから自治会でいくつかの防止策を講じた。ラジオ体操もそのひとつ。外出のきっかけを作り、住民同士が顔を合わせることを目的として週2回ほど行われている。母も隣人と連れ立って参加していたようだが、コミュニケーションをスムーズにとれなくなり、そのうち誘われなくなった。久しぶりにラジオ体操にきた母を見て、顔なじみの人たちが駆け寄ってきてくれ、母も笑顔になった。
キビキビした動きにはついていけないが、母はしばらく輪の中にいた。私もその隣で一緒に体を動かした。しかし、途中で母が「手が冷たい!」と怒り出してしまったので輪から抜けることに。その日に限って、いつもしている手袋を持ってこなかったのは失敗だった。
甘いココアは母が喜ぶ。ココアで温まって機嫌を直してもらおうと考えながら、連れて帰った。また行けばいいかと思っていたが、寒くなると朝の散歩を嫌がり、これが最後のラジオ体操になってしまった。

バナナにかけるジンジャーココア

温かいココアをバナナにかけたおやつです。スライスしたしょうがを牛乳で煮出します。体が温まるので、寒い季節にぴったり。ちょっとお腹が空いたときや体が冷えたときによく作っていました。

材料 2人分

バナナ 小1本
牛乳 120ml
ミルクココア(調整ココア) 大さじ1
しょうが(薄切り) 1枚

作り方

  1. バナナを幅1cmに切る
  2. 小鍋に牛乳としょうがを入れて弱火で温め、ミルクココアを加えて混ぜる
  3. 器にバナナを盛り、2をかける

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