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認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

介護のすき間で気分転換 小松菜の炒め物 認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。不機嫌なまま出かけていった母。機嫌良く帰ってきてくれますようにと、願いを込めて。

※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません

鶏ささみと小松菜の炒め物

朝から母がなんとなくピリピリしていた。
デイサービスでは平穏に過ごせたようだが、夕方のヘルパーさんの訪問記録を見ると「とても怒りっぽく、口数も少なく笑顔もありません」と記載があった。
夜も「虫がいる」と言って手で追い払おうしたり、トイレに何度も行ったりして、落ち着きがない。睡眠よし、排便よし、食欲もあるのになんで笑顔がないのだろう?
翌日も、朝から怒りっぽい状態が続いていた。私が、小松菜の葉の傷んだ部分を捨てているのを見て、「なんで捨てるの! 洗えばまだ使えるじゃない」と強い口調で言うので、料理の手を止めた。
不穏になっている原因に心当たりがないと、孤独感で胸が苦しくなる。
母をデイサービスに送り出してから、仕事に余裕があれば、場所を決めて30分間掃除をするようにしていた。これでかなり気分転換ができる。ピカピカになった窓を見ながら、深呼吸してお腹の底に沈んだ重たい気持ちを吐き出す。気を取り直して、小松菜を野菜室から再び出し、鶏ささみと炒めて夕食の準備を終わらせた。

鶏ささみと小松菜の炒め物

歯が丈夫な母は、脂質が少なく硬い鶏ささみ肉も喜んで食べてくれました。ささみに下味をつけているので、小松菜は味つけなし。にんにくの香りがきいた、噛めばかむほど味わいのある炒め物です。ささみが硬くて噛みにくい人は、鶏もも肉を食べやすい大きさに切って使ってください。

材料 2人分

鶏ささみ肉 3本
小松菜 2株(100g)
にんにく 1かけ
ごま油 大さじ1
酒 小さじ1
しょうゆ 小さじ1/2
塩 少々
片栗粉 小さじ1

作り方

  1. 小松菜は長さ3cmに切る。にんにくは包丁の腹でつぶす
  2. ささみはキッチンペーパーで水気をふき、筋を除いてそぎ切りにして、酒、しょうゆ、塩、片栗粉をもみ込む
  3. フライパンにごま油とにんにくを入れて熱し、にんにくの香りが立ってきたら中火でささみを焼き、いったん取り出す
  4. フライパンは洗わずに1の小松菜を強火で炒め、かさが減ってきたら3のささみを戻し入れ軽く炒める

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