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今日は晴天、ぼけ日和

「死にたい」その心の叫びに返す言葉を 私の答えはまだ見つからない

《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

「死にたい」その叫びに返す、正解はあるのだろうか。

何度この状況に遭遇しただろう。最良の対応、その答えはいまだ見つからない。

「私は、生きててくれたらと思っています」そんな頼りない言葉しか、伝えられない自分が歯がゆくなる。

相手の気持ちに同化しすぎないように。でも離れすぎないように。せめぎ合う心で、私も揺れる。

聞くだけ。話すだけ。いるだけ。それを一緒に繰り返しながら、明日を探してゆく。

生きることは、ひとりでは難しいから。

悲しいことですが「死にたい」は、
高齢の方が比較的、よく口にされる一言です。

だからと言って「また言ってるな」と軽く聞こえても、
ご本人にしてみれば、その一言で伝えるしかなかった思いが込められているのでしょう。

そして残念ながら、
実際に実行された方を、
私も知っています。

なので聞いているほうは、ご本人の気持ちを否定せずに、
自分自身のことばで会話の糸口を探すことが、せめてもの心遣いじゃないでしょうか。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

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