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今日は晴天、ぼけ日和

亡き父母も心で「生きている」認知症の人が幸せを守るもう一つの世界

《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

「私? 42歳よ」久子さんは、誰に歳を聞かれてもそう答える。

認知症を深めた久子さんは、実際の年齢より40歳自分は若いと、思い込まれている。

「は? あんたの両親、まだ生きてるって言うの」そんなバカな・・・「まだ、二人とも若いもの」

久子さんの心のなかでは、亡きご両親が、いまだに生き続けている。

「私ももう一度、お父さんとお母さんに会いたいなぁ」久子さんは、幸せな女性。

久子さんの心は、久子さんの幸せを守り続けている。

「主人は、会社に行ってるわ」
「おふくろは、故郷でピンピンしてるよ」

そんなふうに認知症を深めた方々が、
亡き人たちを、まだ生きている、と
思い込まれていることがあります。

それは、忘れている、というよりも、

ご自身の安定をはかるために、
心が作り上げた拠り所のように感じます。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

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