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増える高齢者の熱中症 認知症の母は水分をとりません 専門家が回答

湯飲みを持つイメージ

見守り支援を行う梅澤宗一郎さんが、介護経験を生かして、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.認知症の母(82歳)を自宅で介護しています。水分を全然とってくれないので、テレビで高齢者が熱中症になったニュースを見て心配しています。どうしたら水分をとってくれるでしょうか?(55歳・女性)

A.水分をとってくれない認知症の方は、確かに多いですね。
高齢になるとのどの渇きを感じにくくなったり、体温調節がうまくいかなくなったりするので、やはり周囲の人が気を配る必要があると思います。ただし家族が強引に飲ませようとすればするほど、かたくなになってしまうかもしれません。

よくあるのは「トイレが近くなるから」という理由です。何度も立ってトイレに行くのが面倒だったり、トイレに間に合わずに失敗してしまった経験があると、それ以降、水分を控えるようになってしまうんですよね。
まずは、水分を取らない原因が身体的な理由によるものなのか、精神的なものなのか、ご本人の言動から理解する必要があります。高齢者は脱水症状を起こしやすいので、適度な水分補給が必要です。家族から伝えるよりも、かかりつけ医やケアマネジャーから話してもらうなど、誰がどのように伝えるかということも大事なポイントだと思います。

ご本人の好みもありますよね。ある利用者さんは、お茶を飲むことをかたくなに拒否していたのですが、お砂糖を少し入れたら「おいしいわね」と言って飲むようになりました。お茶は飲まないけれどコーラやコーヒーなら飲む方もいました。ペットボトルで飲むのが苦手な方、夏場でも温かい飲み物を好む方など、さまざまです。水分は汁物やフルーツなど、食事やデザートからとってもらうこともできます。一口サイズの凍らせたジュースを水分補給に使ったこともありました。

お母さんの好きな味やスタイルを見つけられるといいですね。

【まとめ】認知症の人の水分補給の仕方は

  • 水分をとらない理由が重要
  • 水分をとるよう誰がどのように伝えるのか工夫を
  • 好みの味や飲み方を見つける

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