ジューシーなパプリカが「祈り」のレシピに 認知症の母が喜ぶ毎日ごはん
撮影/百井謙子
フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。彩りの良い朝食は、母の笑顔を増やします。
※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません
朝食を食べ終えると、デイサービスのお迎えの電話がかかってきたと思い込み、靴を履き、リュックサックを背負い、玄関を出てしまう。電話をかけてきたのに車がこないと怒り出すから、なだめて家に連れ戻す。この繰り返し。
以前のエッセー「夜中に起きる母に「朝おやつ」でお腹スッキリ」でも書いたように、工夫を尽くしてもうまくいかず、朝5時から9時までに私の1日のエネルギーを使い切ってしまうような日もあった。
主治医に訴えると「悪いところばかりを見ないように」と言われたので、朝の様子を記録してみることを思いついた。
「A=笑顔が見え、落ち着いている」
「B=朝食後に焦燥感に襲われている」
「C=私がぐったりするほど不穏」
の3つで記録する。
10日間記録してみると「BBCACACAAC」と、穏やかな朝もあったことに気づく。
毎日、母が喜ぶ料理を作ってきたのは、穏やかに過ごせますようにという「祈り」のようなものだったのかもしれない。
朝食の副菜もできるだけ彩りがよくなるように工夫していた。
カラーパプリカのマリネ
カラーパプリカは、料理の彩りをよくしてくれる助っ人です。
緑のピーマンに比べて肉厚でジューシー、甘みがあり、生食もできるので常備菜におすすめ。水分が多くつぶれやすいので、野菜室で保存するときは重ねないようにしてください。
材料 作りやすい分量
カラーパプリカ(赤・黄) 各1/2個
オリーブオイル 大さじ1
酢 大さじ1
天然塩 小さじ1/4
乾燥パセリ 少々
作り方
- パプリカは縦に幅1cmに切る
- ボウルにオリーブオイル、酢、塩を入れて混ぜる
- 鍋に湯を沸かし、パプリカを入れて30秒ほどゆで、ざるに上げて水けをきる。熱いうちに2に加えて混ぜる
- 冷蔵庫に30分ほど入れて味をなじませてから器に盛り、パセリをふる