珍プレー好プレー続出!Dシリーズ優勝の栄冠はどのチームに?
取材/小川誠志 撮影/谷本結利、編集部
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第1試合は神奈川が静岡との接戦を制し6対5で逃げ切り、第2試合は日本選抜が初回の猛攻で大阪を圧倒し18対3で快勝。勝者2チームのうち得失点差で日本選抜が初優勝を達成しました。岡田英明投手(日本選抜)、山口鉄則外野手(神奈川)、柿下秋男内野手(日本選抜)がそれぞれエキシビションマッチ、第1試合、第2試合のMVPを獲得。今回初めて設けられた「なかまぁる賞」は田中静子内野手(静岡)に贈られました。
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大会規定
認知症の選手が6人以上いることが単独チームとしての参加条件。単独チームが構成できなかった宮城、東京、愛知、兵庫、奈良の選手たちは今回、連合チーム・日本選抜として参加した。守備の際には、キャッチャー、ファースト、ショートは選手以外の者でも守ることができる。攻撃の際、ランナーの盗塁は禁止。
試合は7イニング制だが、制限時間を1時間20分とし、これを過ぎた場合は7回に満たなくても次のイニングに入らない。攻撃の際には、10人を超えて打順を組むことも可能。
今回は2試合の勝利チームのうち、得失点差で優勝チームが決定された(得失点差が並んだ場合は、得点数の多いチームが優勝)。
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【第1試合】神奈川シュガーエンジェルス 6-5 静岡レッドサーモンズ
勝ち越し打の中村投手、最終回を締めた!
神奈川は初回、相手投手の立ち上がりを攻め2点を先制。3回にも3点を加え5点差とする。静岡も3回に3点を挙げて追い上げ、4回には高橋一智外野手のツーラン本塁打が飛び出し同点に追いつく。5回、神奈川はここまで全打席で出塁している1番・山口鉄則外野手が内野安打でまたも出塁。3番・中村成信投手の打球が静岡内野陣のエラーを誘い勝ち越しに成功。エース・中村投手が粘りのピッチングで最終回を締めた。
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- 第1試合 大会MVP
- 山口鉄則さん(神奈川)
1番打者として4打席とも出塁、5回には決勝点のホームも踏みました。若い頃はサッカー、ソフトボール、野球などいろいろな競技を経験してきたスポーツマンです。大会初参加でのMVP獲得となりました。「今日は妻も来ていて、喜んでくれました。決勝点は、狙っていたわけではありません。勝ち負けよりも楽しんでやることが大事。今日は本当に楽しかったです」と笑顔でコメントしてくれました。
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- 第1試合 なかまぁる的ヒーロー!
- 中村成信さん(神奈川)
(5回の決勝打)バットに当たればいいなぁと思って思い切って振ったら、当たってくれました! 決勝点になってうれしいです。毎年、なかなか勝てなかったので、今年こそ勝ちたいと思って頑張って練習してよかったです。
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【第2試合】日本選抜 18-3 やったるで大阪
日本選抜が猛打で大阪を圧倒!
日本選抜が強力打線で前回優勝の大阪を圧倒した。1回裏、1番・丹野智文内野手、2番・柿下秋男内野手の連続内野安打で波に乗った日本選抜は、連打で大量得点に成功。12点を奪い、さらに2死一、二塁から竹内裕内野手のスリーラン本塁打が飛び出し、この回計13安打15得点で試合を決めた。エース・岡田英明投手も3回表を三者連続三振に斬って取るなど好投。4連覇を狙った大阪は2回、4回に得点したが、初回の大量失点が響いた。
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- 第2試合 大会MVP
- 柿下秋男さん(日本選抜=東京)
初回の1打席目で内野安打を放ち、2打席目も相手のエラーで出塁しました。ファーストを守り、好守でも優勝に大きく貢献。大学時代はボート競技・エイトの選手としてモントリオール五輪(1976年)に出場しました。来年の東京五輪の聖火ランナーを目指しています。「富士山を背にした素晴らしいロケーションでスポーツができてよかった」。大会初参加でのMVP獲得となりました。
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- 第2試合 なかまぁる的ヒーロー!
- 竹内裕さん(日本選抜=東京)
(初回、2打席目のランニング本塁打)三塁で一旦止まったんですけど、いけそうだと思ったので頑張ってホームまで走りました。僕は広島の出身。広島といえば「走る野球」でしょう! でも疲れました~(笑)。
まだまだいます注目のひと!
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- エキシビションマッチ MVP
- 岡田英明さん(日本選抜=奈良)
西日本チームの1番打者として打席に立ち、エキシビションマッチ特例のルールにのっとり50球近く粘りのバッティングを披露。疲れたのでちょっと休憩しましたが、再度打席に入ると一塁前へ打球を放ちました。「打つ練習はしばらくやってなかったので、なかなか当たりませんでした。2打席目で当たってよかったです」と笑顔。2回目の参加で2年連続のMVP獲得です。本来は奈良所属ですが、今回は日本選抜の投手として優勝に貢献しました。
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- なかまぁる賞(新設!)
- 田中静子さん(静岡)
学生時代、ソフトボールをプレーしていた田中さんは今回初参加。大会前は参加を迷い「自信がないなぁ」と話していたそうですが、1番・サードで出場し2安打を放つ見事な活躍でした。「楽しかったです。当事者の人も、そうでない人も楽しんでよかった。毎月の練習にはこれからも参加します。体を鍛えて来年も出たいです」。今回、試合は1点差で敗れましたが、来年の大会に向けて燃えています。
受賞選手
エキシビションマッチ MVP
岡田英明さん(日本選抜=奈良)
エキシビションマッチ 敢闘賞
宇賀神文吾さん(静岡)
第1試合 大会MVP
山口鉄則さん(神奈川)
第1試合 敢闘賞
高橋一智さん(静岡)
第2試合 大会MVP
柿下秋男さん(日本選抜=東京)
第2試合 敢闘賞
中須良一さん(大阪)
なかまぁる賞
田中静子さん(静岡)
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