認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

高齢者は歯が命 シャキシャキおいしい認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。ピスタチオは殻を取って食べてくださいね。

※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません

れんこんとひじきの炒め物

母が落ち込んだり、怒ったりして「もう死んでもいい」などと嘆いている姿を見るのは辛い。そういう時は、もともと母が「まんざらでもない」と思っていたところをほめて、その場の雰囲気を切り替える。

母の場合は、丈夫な歯。昔、歯医者から「虫歯になりにくい、かたい歯」と言われたことがあるようで、歯には自信を持っていた。殻つきのピスタチオをガリガリとかじって「すごいでしょ」と見せてくれたこともあった。

「歯が丈夫な人は長生きするわよ、おばあちゃんが98歳でビフテキを食べられるのも歯があるから」と祖母を例に出し、「やっぱり高齢者は歯が命ね」とゆっくり、はっきりと言う。
98歳でほとんどの歯が残っている祖母は、母にとって長寿の象徴だった。
「そうよね、あの人はすごいわ。私もまだまだがんばらなくちゃ」と母が生きることへの意欲を取り戻す。

食後、箸を置いたら間髪入れずに「高齢者は歯が命。食べたら歯磨き」とリズムよく繰り返しながら洗面所へ誘導する。時間が経つと「歯磨きは終わりました」と言われてしまい、チャンスを逃す。母の横に立ち、「あら、すごくいい歯ね、ちょっと見せてくださいます?」と、もう一度、ほめて口を開けてもらい、母の歯を磨いた。

丈夫な歯がもっと丈夫になるように「れんこんとひじきの炒め物」をよく作った。シャキシャキといい音をきかせてくれ、「かたいものが好きなのよ」と笑う。母の噛む力はいまも維持されている。

れんこんとひじきの炒め物

ごま油で香りよく炒めたれんこんのきんぴらを常備菜にしていました。シャキシャキとした歯触りは、脳の刺激にもなっていたのでしょうか。ひじきはドライパックを用いると、戻さずそのまま使えて手軽です。大豆を加えることで、噛めばかむほど味わい深いおかずになります。

材料 作りやすい分量

れんこん 220g
ひじき(ドライパック) 1袋(65g)
大豆(ドライパック) 1缶(100g)
ごま油 大さじ1
みりん 小さじ2
しょうゆ 小さじ2

作り方

  1.  れんこんは皮をむき、縦4つに割ってから薄切りにする
  2.  フライパンにごま油を熱し、れんこんを強火で炒める。水大さじ2を回しかけてふたをする
  3.  れんこんが透き通ってきたら、ひじきと大豆を加えて中火で炒め合わせ、みりんとしょうゆで味を調える

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について