ぼけたって一人だって台所に 夫を亡くしたゆきさんが守る家庭の味
《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

ゆきさんがご主人を亡くしてから、もう十数年。

ゆきさんの煮物は、だしの効いた薄味。ご主人の体を思いやって、できた味。

その味は、永遠に。
認知症が深まっても、できることがあります。
例えば、針仕事や草木の世話を、
変わらず続けている高齢の方は、
たくさんいらっしゃいます。
ぼけてもできること=生涯をかけて大切にされてきたこと。
体に染み込むまでしてきたそれこそ、
日々を輝かせる宝なのです。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
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