おしゃべりだったあなたが、空と話すように〜認知症は、終いの支度
《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
あなたは一人でふらり、公園へ出かけるのが日課でしたね。
涙もろくなったあなたは、空になにを見ていたのでしょうか。
今でもふと、あなたの姿が浮かびます。
ぼけることは、老いの自然な流れ。
終(しま)いの仕度を脳が、はじめてゆくことです。
もし体ばかり老いて、
脳だけが若いままなら、
私は死を許せないかもしれません。
あの人のようにいつか私も、
空に手をあわせる心を、持てますように。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》