仲間という絆@丹南~BLGの活動報告
認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、福井県越前市にあるBLG丹南(福井県民生協 丹南きらめき)からの報告です。
こんにちは! BLG丹南の吾田(あずた)です。
今年は全国的に暑い夏となりましたが、BLG丹南がある福井県越前市も例外ではありません。
お盆を過ぎても涼しくなる気配はなく、活動時には塩分補給のタブレットや麦茶が欠かせません。特に、午後から担っているネットスーパーの配達時には、メンバーさんは水筒とタブレットを準備して車に乗り込み、皆で声を掛け合いながら頑張っています!
さて、今回はそんなBLG丹南を支えて下さっているメンバーさんのひとり、N様についてご紹介したいと思います。
N様は今年1月から仲間に加わった男性メンバーさんです。ご自宅では可愛いお孫さんに囲まれて過ごされており、お孫さんが休みの時には、朝からお孫さんが起こしに来て遊びに誘われるそうです。「お孫さんに慕われている優しいおじいちゃん」の姿が伝わってきます。
初めの頃はBLGで過ごされている時も時計を気にしながら
「今日は孫が休みやで、早く帰ってもいいか?」
「ここにいるより孫と遊んでる方がいい」
と言われることが多くありました。
ご自宅でしっかりした居場所や役割を持っておられ、素敵だなと思う一方で、BLGがまだまだN様にとって居心地の良い居場所になっていないのだなと思い、ちょっと寂しい気持ちにもなりました。
そんなN様、BLGでメンバーさんと一緒に過ごすうち、様々な活動に取り組まれる様になりました。
保育園の園児にプレゼントする積み木作りでは、製材所での経験を活かし、廃材の中から積み木に合った木の素材を選んだり、他のメンバーさんやスタッフにノコギリの使い方の指導をされたりするなど大活躍でした。メンバーさんと一緒に積み木の色付けや子どもさんにやさしい成分のオイルで仕上げを行い、無事に園児さんに届けることが出来ました!
今は廃材を譲って頂ける企業さんが見つからず、いったん作業は止まっていますが、N様と一緒に廃材を譲ってもらえる企業さんを探して、また再開したいと思っています。
また、毎日行っているネットスーパーの配達では、配達先がわかりやすいよう、みんなで地図作りを行いました。使っているうちに紙が破れたり、つなぎ目がはがれたりしているのをいち早く見つけ、修正されていました。
ご自宅でもされている農作業での知識を活かし、BLGでも畑作業を率先してされているほか、提携している福井トヨタさんでの活動にも積極的に参加されています。
また、ご自身の想いだけではなく、周りのメンバーさんやスタッフの動きをみて、人手が足りない活動に加わり、BLG全体がうまく稼働するように気遣っておられます。
誰よりもBLGに集うメンバー・スタッフのことを気にかけ、自然にサポートされており、今ではすっかりBLG丹南の中心的存在となられています。
最近では、N様より少し年上のM様のサポートをされる姿や、周りのメンバーさんが困っている時には誰よりも先に気付いて声をかけ、サポートされており、その声掛けは思いやりにあふれています。
そして、サポートされているのはメンバーさんだけでなく、私たちスタッフも同様です。
「○○せんでいいんか?」
「今度来た時○○するわ」
とご自身がやろうと思うこと、やりたいことをスタッフに伝える姿が増えました!
遠方から通われていますが、お休みされることはほとんどなく、病院受診と重なった日でも
「〇〇するって約束したから」
と短時間でも顔を出し、やるべきことを仕上げてから病院に行かれることもありました。
そんなN様に頼り、頼られながらこれからもみんなでBLG丹南を元気に盛り上げていきたいと思っています!