つなげたのはアレ@きのこ~BLGの活動報告
認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、岡山県井原市にあるBLGきのこ(在宅複合施設「西部いこいの里」)からの報告です。
皆さんこんにちは。連日続く猛暑の中、外作業に出掛けるメンバーさんよりも先に倒れてしまわないだろうかと、ヒヤヒヤしながら今夏を過ごしているBLGきのこの川崎です。
こまめな水分補給と日陰での休憩をとりながら、「頑張りすぎない」「ぼちぼちやろう」を合言葉に日々活動をしています。
そんな私たちの社会参加活動の1つに、公園の美化活動があります。
施設から徒歩数分の場所にあるその公園は、春には桜が咲き乱れ、メンバーさんともお花見に出掛けたり、時には運動がてら散歩やキャッチボールをしたりと、私たちもよくお世話になっている地域の居場所です。2年ほど前に、公園管理を担当している方が管理に困っているという話を聞いて、それ以来、週に1度私たちがボランティアという形で草取りや遊具の清掃などの美化活動を行っています。
これまでは担当者の方と一緒に活動し、交流も出来ていたのですが、最近になり担当者の交代があり、これまでのように一緒に活動することが出来なくなってしまいました。
「最近あの人はどうなったんけー?」
「近所の人らは手伝いにはきてくれんのやろうか?」
「今日は暑いけど公園どうする?」
と、これまであったつながりが希薄になってしまったことで、メンバーさんも活動に対する前向きな姿勢やモチベーションが生まれにくくなっていました。
せっかく生まれた地域とのつながりを大切にしていきたい半面、メンバーさんの思いがそこになければ本末転倒になってしまう。どうしたものかと悩んでいたところ、解決に導いてくれたのはやはりメンバーさん!! いや、職員? 否、それは昭和初期から令和の現在に至るまで受け継がれるSNSの元祖とも呼ばれるたった1枚の紙切れ。
そう、それは地域住民の連絡ツールである回覧板だったのです。
私たちの知らないところで、実は自治会の中でこんな情報が出回っていたのです。
「公園の管理についてとボランティア報告」
そこには、公園管理についての現状と私たちBLGきのこの草取り清掃活動の紹介に加えて、住民に向けて「御時間に余裕があれば公園に顔を出して、一緒に清掃のお手伝いをして頂ければ幸いです」といった文章が添えられていました。
「おー!! いいように書いてもらっとる」
「これは頑張らんといけんな」
「みんなが手伝ってくれたらもっときれいになりますね」
と、回覧板を読んだメンバーさんからも以前のような前向きな姿勢が戻ってきました。
近所の方からも、「いつも暑いのにありがとうございます」と声をかけて下さったり、何度か一緒に草取りをする日もうまれるようになったりと、回覧板を介してつながりが再構築された瞬間でした。
つながるって凄い。恐るべし回覧板効果。
地域社会には、私たちが知らないだけで誰かがしないといけないことってたくさんあると思います。回覧板でBLGきのこの存在を知り、動いてくれた近所の方。
近い将来、地域にはBLGきのこがなくてはならないと、頼られる存在になれるよう、これからもメンバーさんと頑張りすぎず、ぼちぼちと歩んでいきます。