メンバーさんの料理挑戦と園芸の楽しみ@さいたま~BLGの活動報告
認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、埼玉県さいたま市にあるBLGさいたま(福祉ネットワークさくら)からの報告です。
こんにちは。BLGさいたまの竹内と申します。
BLGに参加して8ヶ月が経ちました。これまで、メンバーさんと共に過ごす中で様々な思いや行動、観察を通して学びを深めてまいりました。活動を始めてから今日まで、日々の仕事で考えることが増え、それが介護の質の向上につながっていると実感しております。メンバーさんの個々のニーズに焦点を当て、より効果的で個別化されたサポートを提供するため、臨機応変かつ柔軟な思考が求められています。これからもメンバーさん一人ひとりと向き合い、共に成長していくことを目指してまいります。
最近は、メンバーさんが料理やおやつ作りに積極的に参加するようになってきました。最初のうちは、メンバーさんが料理に対して不安を抱えていました。ポイントは、彼らがどのようにしてこの不安を克服し、料理に対する意欲を引き出せるかでした。
そこで、豆腐を切るなど簡単な作業から始め、徐々に難易度を上げる工夫を導入しました。これにより、参加者が段階的にスキルを向上させ、成功体験を積むということができました。最初は控えめだった人も、次第に笑顔が見られるようになっていきました。
また、料理の一環として、食材の買い出しにもメンバーさんを誘いました。皆さん、食材を選ぶ目は真剣です。メンバーさんがスタッフに食材の選び方を教えてくれたりもしています。これにより、買い物の楽しさや自己決定の重要性を実感できるようになり、自己肯定感も向上して、みんなにとっての新しい楽しみとなりました。
メンバーさんの中には、園芸を楽しむ方も増えました。料理にはあまり関心が無い方でも、園芸には積極的に取り組む姿が見られます。園芸の活動がコミュニケーションのきっかけとなり、メンバーさんとスタッフの交流が深まっています。
過ごしやすい季節には外での園芸活動も増加し、日中のほんのりとした陽気に包まれます。室内に閉じこもらず、新鮮な空気を吸いながら土いじりを行うことで、メンバーさんたちはリフレッシュできています。それだけでなく、園芸活動はリハビリ効果も期待でき、手先の細かい動きや立ち上がる力の向上にも寄与しています。
活動によるストレス軽減やリラックス効果は明らかで、心身の健康に良い影響をもたらしています。
今後は、メンバーさんに対するスタッフの声のかけ方や誘い方に工夫が必要だと感じています。より多くのメンバーさんが参加できるよう、個々の特性や好みに合わせたアプローチができるようになりたいです。また、現在はメンバーさんとスタッフとの間の交流が中心で、メンバーさん同士の交流は少ないので、これも促していきたいと思っています。コミュニケーションの工夫により、より多くのメンバーさんが活動に参加し、充実感を共有できるようにしていきます。
そのためには、傾聴のスキルが不可欠であると感じています。メンバーさん一人ひとりの声に真剣に耳を傾け、彼らの声に真摯に向き合い信頼を築くことで、より良いケア環境を構築し、共に笑顔あふれる日々を築いていくことが目標です。メンバーさんの表面的な要望だけでなく、感情や思いもくみ取り、メンバーさんが自分らしい生活を営む手助けをしていきます。
活動が多様性を持ち、メンバーさんがそれぞれの興味や特技に応じて充実した日々を送れることが何よりも喜ばしいです。これからも、メンバーさんの多様な要望に柔軟かつ丁寧に対応し、笑顔あふれる活気ある施設づくりに努めていきたいと考えています。