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竹取物語2―竹林再生と地域を結ぶ@みとよ〜BLGの活動報告

竹林にて竹の切り出し
竹林にて竹の切り出し

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、香川県三豊市にあるBLGみとよ(小規模デイサービスセンター「うちん家」)からの報告です。

BLGみとよのある香川県三豊市高瀬町麻地区には缶詰工場があり、昔はたけのこの栽培も盛んに行われていました。
しかし、缶詰工場もなくなってしまい、時が経つにつれたけのこ栽培をされる方が減り、今では荒れた竹林が多くなっています。
以前の報告では、この竹林の竹を何かに使えないかと考えて竹林再生事業の方とつながり、「竹あかり」作りを行ってイベントで販売をしました。
その後、竹を使った活動がどの様に変化していったかを、今回お話させていただきます。

最初にお話させていただいたように、麻地区には竹林がたくさんあります。
地域の協力により竹を取ることができる竹林が4か所あるのですが、たくさんある竹をもっと何かほかのものに使えないかをメンバーさんと考えました。

「孟宗竹(もうそうちく)は厚いから加工はには向いてないな~」「竹は硬いしなぁ~」と言う意見があがるなか、あるメンバーさんから
「昔は木を切ってきて木炭を作っていたけど、竹では難しいやろうか?」と言う話が出ました。
メンバーさんからの提案もあって竹炭の作り方を調べると、一斗缶で作れることがわかり、試しに竹炭作りを行いました。

まずは材料となる竹を切りに、山へ行きました。
竹の切り出しでは男性メンバーさんが大活躍です。
切った竹を軽トラックに積みやすい長さに切ったり、要らない枝を落としたりと慣れた手つきで作業が進んでいきます。

一斗缶に入る長さにノコギリで切っています
一斗缶に入る長さにノコギリで切っています

持ち帰った竹を今度は一斗缶に入る大きさに切り出しました。
ここでも、切った竹を4等分に鉈(なた)で割る方、邪魔になる節をハンマーでよける方、一斗缶に詰め込む方と、それぞれのメンバーさんが役割を分担して作業が進んでいきました。

4等分に鉈(なた)で割ります
4等分に鉈(なた)で割ります

準備ができ、いざ一斗缶を火にかけると、モクモクと白い煙が立ちました。
すると最初に炭作りを提案してくれたメンバーさんが「煙の色を見るんや。最初は濃い白い煙が出るけど、出来てきたら青白くなって最後には見えんなるけん、そぉしたら空気が入らんように口を閉じるんや」と教えてくれました。

メンバーさんの教え通り、煙が透明になってから口を閉じ、1日置いたものを次の日に開けてみました。
「出来とるか?」「灰になってないやろか?」と心配そうに中を確認すると、「これは綺麗に焼けたな~」「やっぱり下の方は少し灰になっとるけど、ちゃんと炭やな」と出来上がったことに安心されていました。

竹炭が出来上がると、今度は女性メンバーさんが大活躍でした。
出来た竹炭を大きさごとに仕分けをしたり、販売に使う竹の器を洗ったり、器の中に飾りつけをしたりと、それぞれ手分けをして作業に取り組まれていました。

竹の器に飾りつけ販売準備
竹の器に飾りつけ販売準備

出来上がった竹炭のインテリアを高校での野菜販売のときに持っていきました。
野菜以外のものが売れるのか、竹炭に興味をもってもらえるのか心配でしたが、メンバーさんが竹炭の効果などを説明しながら接客をしてくれたことにより、大盛況でした。
結局この日は13個持っていった竹炭が12個も売れ、「そんなに売れたんか!!」「売れて良かった~」と言う声が聞こえました。

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