私たちの挑戦@さいたま~BLGの活動報告
認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、埼玉県さいたま市にあるBLGさいたま(福祉ネットワークさくら)からの報告です。
こんにちは、BLGさいたまの栁町です。
今年4月より100BLGの仲間入りをし、はや5カ月が経ちました。その間には数々のBLGさいたまの挑戦がありました。
私たちはメンバーの好きなこと・やりたいことをキャッチし、小さな種をまいて、喜びの花を咲かせることを目指しています。スタッフはそういう思いを持ちながら日々、メンバーさんと接しています。
その思いはBLGさいたまとして、日々の新しい挑戦を生んでいます。今日はそんな挑戦のいくつかをお話したいと思います。
挑戦① BLGさいたまキックオフイベント開催
先般7月20日、埼玉県障害者交流センターにて、「認知症の本人と共に考える、これからの地域づくり」講演会・座談会を開催し、福祉関係者や地域住民約150名の方にお越しいただきました。会には、弊社の障害者事業所のメンバーと、BLGさいたまのメンバーも参加しました。
座談会では、若年性認知症の当事者のほか弊社の生活相談員、さいたま市の高齢福祉課部長、コーディネーターのBLG八王子の代表が登壇し、「認知症の本人の声を聴く」をテーマに、当事者本人の考えやBLGさいたまのこれからの挑戦、自治体のこれからの施策といった話が展開されました。
来場者の関心がとても高く、障害や認知症があっても、地域と社会から孤立することのない、やさしい地域をつくりたいという福祉関係者の強い思いが感じられる会となりました。
挑戦② BLGさいたま初の有償ボランティア
地域の地主さんより近隣駐車場と貸家周囲の除草を任せていただき、除草作業を行いました。暑いさなかの作業となりましたが、BLGさいたまの若年性認知症のメンバー、障害者事業所のメンバーたち約10名で力を合わせて行いました。
挑戦③ お昼のおかずやお味噌汁づくり
何気ない日常の中にも、目的を持った取り組みを行っています。お昼のおかずやお味噌汁づくりにも、単なるレクリエーションとしてだけではなく、誰かの役に立つという目的を持っています。
この日は、お昼のおかずの餃子(ギョーザ)を作りました。この餃子はBLGさいたまのメンバーだけでなく、障害者事業所のメンバーたちのお昼にもなります。この餃子はみんなのために作る餃子です。みなさん、とても手際が良く、250個をあっという間に包み終えました。
BLGさいたまでは、昼食に付くお味噌汁も毎日作っています。メンバーがみんなの分のお味噌汁をとてもイキイキとして作っています。もちろん、「面倒くさい」「昨日作ったから今日はやめておくわ」という方もいます。それはそれで、その方の意思ですので、尊重します(スタッフは少し悲しいですが……)。
お味噌汁の味付けをしたメンバーさんが、障害者事業所のメンバーにお味噌汁をお届けしました。自分の作ったお味噌汁をどんな人が食べるのかを知ることは、やりがいや意欲につながります。
障害者事業所のメンバーからは、「作ってくれてありがとう」「届けてくれてありがとう」。そんな言葉とみんなの笑顔を目の当たりにして、うれしそうなメンバーさん。
そのとき、「このお味噌汁、よそわなくていいの?」といった言葉が飛び出しました。「この人たちのために何かしたい」という気持ちが表現された言葉です。何気ない日常の中から、こういう種を私たちスタッフはひとつひとつ拾っていきたいと思っているのです。
以上、BLGさいたまの3つの挑戦をお伝えしました。
私たちの会社の強みは、社内の異なる事業所のメンバーとの交流が可能ということです。これまでの取り組みを経て、会社全体でメンバーとスタッフの意識の変化も起こってきました。これからのBLGさいたまが、ますます楽しみです。