『認知症の人のこころを読み解く』
なかまぁる編集部
【この作品は…】
精神科医でさえ、最新の画像診断やデータ解析に関心を寄せる昨今。5人の精神科医が、認知症に対して精神科医としての精神心理的なアプローチについて、実際の事例を持ち寄り、議論してきたことの報告書です。
【あらすじ】
現在の認知症医療は圧倒的に生物学的アプローチが主流になっています。心理的な交流を図るべきはずの精神科医でさえ画像診断やデータ解析に重きを置きがちです。5人の医師が豊富な事例報告をもとに、本人の言動や態度に目を向け、「思い」を大切にした心理的アプローチの必要性を問いかけます。
【著者は…】
- 高橋幸男(たかはし・ゆきお)
1974年東北大学医学部卒。1991年エスポアール出雲クリニックを開設。認知症デイケア(小山のおうち)、精神科デイケア、高次脳機能障害デイケア、小規模多機能型居宅介護施設を併設。同クリニック理事長・院長。島根大学医学部臨床教授。著書に『認知症はこわくない』(NHK出版)など。
- 上田諭(うえだ・さとし)
1981年関西学院大学社会学部卒。元・朝日新聞社勤務(記者)。1996年北海道大学医学部卒。日本医科大学付属病院精神神経科講師などを経て、2022年4月から東京さつきホスピタル精神科常勤医。著書に「高齢者うつを治す—「身体性」の病に薬は不可欠」(日本評論社)、「認知症そのままでいい」(ちくま新書)など。
- 水野裕(みずの・ゆたか)
1987年烏取大学医学部卒。愛知県立城山病院、一宮市立市民病院今伊勢分院、いまいせ心療センター勤務を経て、2019年7月から、まつかげシニアホスピタル副院長。認知症介護研究・研修大府センター客員研究員兼務。著書に『私が学んできた認知症ケアは間違っていました』(ワールドプランニング)など。
- 大塚智丈(おおつか・ともたけ)
1988年徳島大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院で勤務。その後いくつかの病院を経て、2014年三豊・観音寺市医師会三豊市立西香川病院院長就任。著書に『認知症の人の心を知り、「語り出し」を支える—本当の想いを聴いて、かかわりを変えていくために』(中央法規出版)など。
- 齋藤正彦(さいとう・まさひこ)
1980年東京大学医学部卒。東京都立松沢病院名誉院長。著書に『都立松沢病院の挑戦—人生100年時代の精神医療』『アルツハイマー病になった母がみた世界—ことすべて叶うこととは思わねど』(いずれも岩波書店)、『私たちの医療倫理が試されるとき—自己決定・自己責任論を超えて』(ワールドプランニング)など。
【書籍データ】
- タイトル:『認知症の人のこころを読み解く ケアに生かす精神病理』
- 著者:高橋幸男(たかはし・ゆきお)、上田諭(うえだ・さとし)、水野裕(みずの・ゆたか)、大塚智丈(おおつか・ともたけ)、齋藤正彦(さいとう・まさひこ)
- 判型:A5判
- 頁数:176頁
- 価格:2,000円+税
- 発売日:2023年6月25日
- ISBN:978-4-535-98529-2
- 発行:日本評論社