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課題からのチャンス@諏訪~BLGの活動報告

メンバーさんが裂いた新聞は、動物たちの寝床として活用されています
メンバーさんが裂いた新聞は、動物たちの寝床として活用されています

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、長野県諏訪市にあるBLG諏訪(小規模多機能型居宅介護 宅老所いぶき)からの報告です。

こんにちは。BLG諏訪の宮崎です。
BLG諏訪ではその日の活動をメンバーさんの意向を聞きながら“選択”してもらっています。
その一つにペットショップからいただいた仕事があります。
ケージの中で過ごす動物たちの寝床を作るため、新聞を適当な大きさに裂き、袋いっぱいになったらメンバーさんと一緒にお店に届けます。
お店から納期の指定はなく、自分たちのペースで行うことができるお仕事です。

裂いた新聞を店員さんに渡しました
裂いた新聞を店員さんに渡しました

ある日、ふと活動ノートを見て「最後にお店に届けたのはいつだっただろうか」と思い確認したところ、2カ月近く届けることができていなかったことに気付きました。
なぜなんだろう?と確認したところ、メンバーさんがそのお仕事を選択しない期間が続いたからという理由がありました。

納期の指定がない、メンバーさんの選択がなかったからとはいえ、本当にこれでいいのだろうかと考えてしまいました。
“本人の選択を大切にする”とはこのようなことなのだろうか?
お店の人は困ってはいないだろうか?
せっかくつながった関係はどうなるのだろうか?
この課題について色々と考えていたら、頭がモヤモヤしてしまいました。

そこでまず、自分たちは活動を何のために、誰のためにこれを行うのか、事務所のスタッフみんなでふり返り、再確認しました。
また、メンバーさんとも話をしたところ、
「もう少し早く届けたほうがいいね」
「その方がいいと思うよ」
「ペットショップの店員さんの力になりたい」
「店員さんも納品するときに、『ありがとう』って言ってくれるもんね」
という意見が聞かれました。
そこで、今後は、納期をはっきり決めたわけではありませんが、
週1回程度を目標に、定期的に裂いた新聞をお店に届けようということになりました。

袋いっぱいに詰まった裂いた新聞を届けに行きました
袋いっぱいに詰まった裂いた新聞を届けに行きました

BLG諏訪は、介護する・されるの関係ではない、互いに助け合える場所でもあります。
困っている声、お願いの声を聞けば、「任せて」「一緒にやるよ」「がってんだ」と力になってくれるメンバーさんがいます。
お店の人(地域の人)の声を聞き、みんなで一丸となって力になれる、役に立てる。
メンバーさんのやりたいことが地域(社会参加)につながる。
私たちは、そういう拠点にならなければいけません。
そのためにも、さらに一歩ずつ外に出てチャレンジをしていこうと思います。
今回の課題を通じ、“ハタラク”を続けていくなかで必要な経験を得ました。
これを失敗に終わりにせず、未来につなげるチャンスにしていきたいと思います。

近隣の事業所から依頼された、野菜をカットしたものを届けに向かいます
近隣の事業所から依頼された、野菜をカットしたものを届けに向かいます

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