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「一緒」に活動するということ@西尾~BLGの活動報告

メンバー同士でデイサービス入り口の花壇の手入れをしました

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。愛知県西尾市にあるBLG西尾(デイサービスセンター「シルヴィー西尾」)からの報告です。

BLG西尾の尾崎です。私たちBLG西尾がある愛知県西尾市と言えば、「お茶」の産地なのですが、その他にも養鰻(ようまん)やバラやカーネーションの産地としても有名なところです。

今年に入り5月から本格的にBLGの考えを学びながら
【やりたい・やってみたい】
を大切にして、職員とメンバーが一緒になって色々な活動にチャレンジしています。

私たちのデイサービスは1日で30人近くの方がご利用されています。その中には要介護状態が低い方・高い方、認知症状がある方・ない方が混在しておられ、ともに過ごしています。

様々な研修を行い、皆で「BLGの考えとは何だろう?」と考える毎日の中で、ある日、認知症の症状のあるメンバーが、ふと言われた言葉が印象に残っています。
「職員さんも一緒にやろまい。その方が楽しいじゃん」
その一言で私はフッと楽になったのを覚えています。
この一言に、職員は今でも勇気づけられています。

今はコロナ蔓延(まんえん)の時期に入っている真っただ中です。
それでも、メンバーの思いをご家族に伝え、徐々に賛同も得られ、蔓延防止対策も行いながら【やりたい・やってみたい】に取り組み始めました。
まだまだ道半ばですが、少しずつ形にしながらデイサービス内・外での活動を職員も含めたメンバーとともに楽しんでいます。

ここで1つ、活動紹介をします。
「農作業」です。ありきたりの活動ですが、やはり「昔取った杵柄」で、メンバーさんは得意分野なんです。
最初は2~3人のメンバーで始まりました。
「2~3人のメンバーと職員で出来るのか?」「また枯れて終わってしまう」と思っていました。しかし、そこで、先にご紹介した「あの言葉」が頭によぎりました。
「職員さんもいっしょにやろまい。その方が楽しいじゃん」

初期メンバーの行動力や他のメンバーへの言葉かけを頼りに、農作業の活動を進め、今では、これまでは活動への参加回数や交流機会も少なかった、ウトウトと眠っていることが多い方でさえ、農作業となると表情が変わるようになりました。必要な肥料や農作業道具などを一緒に買い物に行く時は、必然的に目的を持ち、行動するようになっているようです。

育てるという「目的」を持って買い物もします

車椅子を使用されている方でも「あのキュウリは早く採らんとえぐみ(苦みのことです)がでちゃうよ」と自ら車椅子を運転され、玄関先のプランターに移動されます。
そのメンバーは今までいろんな活動に対し、認知症の周辺症状としてよくある「拒否」をされる方でした。職員が車椅子を動かすときでさえもそうでした。
しかし「みんなで活動する」ことで、周りから触発されたり、話をかたわらで聞いたりしながら、繰り返し過ごしているうちに、自ら周りのメンバーに声を掛けられるようになっていきました。

「自らで決めて動く・話す」ってことはすごいことなんです。
元気なうちは自身で選択し、決定し、行動する。これができるのです。しかし、年齢を重ねていくと、認知機能の低下や様々な障害により、意欲や気力が低下してしまいがちです。そこで大事だと思うのが【やりたい・やってみたい】だと考えています。
これを実現できるデイサービスになって、メンバーの思いをかなえることができれば素晴らしい、と思います。

メンバー同士で話し合う場所がある

これからも前に1歩1歩ずつ、「活動=やりがい=楽しみ」につなげ、もちろんメンバーの体調や気持ちに寄り添いながら、お互い「悔いのない楽しい時間」を持ち合わせていけたらいいと思います。

収穫の様子

ちなみに……今では収穫した野菜をメンバー同士で包丁で切ったり刻んだり、味付けまで相談して、職員に「これ食べてみりん。おいしいでしょ?」と差し出してもくれます。昼食やおやつの時に皆で食べていますよ。

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