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暮らしの充実@天草~BLGの活動報告

BLG天草(ひかりの園)の施設外観
BLG天草(ひかりの園)の施設外観

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、熊本県上天草市にあるBLG天草(高齢者福祉施設「ひかりの園」)からの報告です。

皆さん、初めまして。BLG天草の脇坂です。
BLG天草は、熊本県上天草市にあり、7 月 1 日から100BLG のメンバーになりました。BLG 天草は特別養護老人ホーム、地域密着型の特別養護老人ホーム、短期入所生活介護、通所介護、認知症対応型共同生活介護、居宅介護支援事業所が併設された、高齢者福祉施設「ひかりの園」です。
ここでは、理念として“ビハーラ(安らぎの場所)の実現” を掲げています。ビハーラとはサンスクリット語で「安住・安らぎなど」を示す言葉です。
ご本人様が大切にされてきたことを、どのような状態になられても、尊厳をもって、豊かに暮らすことを大切にしていきたいと思っています。

実習生とメンバーさんで昼食作り
実習生とメンバーさんで昼食作り

BLG 天草の活動の中心である、デイサービスホームでの日々の暮らしをご紹介します。
メンバーさんが主体となり、昼食準備が始まります。
本日の食材を見て、一品のメニューを決める→食材の下準備→調理→盛り付け→食事の提供→食事のあとの下膳(食事や食器を片付けること)、食器の片付けなどといった一連の作業を、
メンバーさん同士で声を掛け合い、役割を決め、お互いに助け合いながらおこなっていきます。

BLG天草としての取り組みを始める前は、メンバーさんが下膳される姿があっても、職員が「私がします。」と取り上げ、メンバーさんのできる機会も奪っていました。
今は、違います。BLGでの学びから、メンバーさんの「人の役に立ちたい」「働いていたい」との思いを大切にし、スタッフからメンバーさんへの声掛けは「ありがとうございます」「いつも助かります」へと大きく変化しました。
介護する側、される側という関係性から少し脱却できたように思えます。
障害があっても、認知症があってもありのままの自分で暮らし続けられるために、人と人とのつながりを大切に、働く場所・活躍できる場所をつくり、ご縁を頂いたご入居者様、ご利用者様の“ビハーラ=安らぎの場所”の実現のために BLG 天草として進化・深化していきたいと思います。

メンバーさんから実習生 2 人に味付けの指導
メンバーさんから実習生 2 人に味付けの指導

コロナ禍で今、福祉に魅力を抱き、介護のプロを目指す若者の学ぶ機会が減少しているのが現状です。
そんな中、我々の施設では福祉を目指す学生の人材育成の場になればと、学ぶ機会を大切にし、積極的に実習生を受け入れています。
実習を受け入れることで、次世代の介護職へBLG の考え方を伝える場をつくることができる。介護に関心をもつ若者がBLGのケアを体験できる大切な時間にしていきたいと考えています。

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