畑に謎の足跡を発見@きのこ~BLGの活動報告
認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、岡山県井原市にあるBLGきのこ(在宅複合施設、西部いこいの里)からの報告です。
皆さん、初めまして。BLGきのこの川崎です。BLGきのこを初めて知ったという方も多くおられると思い、“自己紹介”をかねた近況報告をさせていただきます。
BLGきのこは2020年より活動をスタートし、メンバーさんとともに地域の中でできること、やりたいことを実現するため日々取り組みを行っています。
最近では、小さな畑を借りて作物を育てています。
今年1月頃、一から畑を耕し、メンバーさんからいただいた玉ねぎの苗を植えました。
現在は手のひらサイズほどまで成長し、収穫を待つばかりです。
せっかく畑を借りたのだからと、ジャガイモも植え、みんなで手分けして水やりや草取りなどの手入れをしています。
ある日、畑に謎の足跡を発見。
なかなかジャガイモの芽が出ないことに気付いたメンバーさんは、家でも農業をしていた経験があります。畑をじっくり眺めながら「これはイノシシの仕業かもしれん」と少し土を掘り始めると、かじられたジャガイモが出てきました。
「なにか対策は?」と尋ねると、「イノシシも腹が減っとるから仕方ないわ」と一言。
その場が笑いに包まれました。
BLGきのこの施設に戻り、昼食をすませた後は、一息つく間もなく次の活動場所へ。
昨年よりつながりができ、今年もお世話になっているいちご農家さんでの仕事です。
いちごの苗から伸びる葉の中で枯れ葉だけを手でつまみ、剪定(せんてい)していきます。
ここでは、指先を使う細かい作業が得意なメンバーさんと苦手なメンバーさんが出てきます。
職員も一員として、苦手な方のフォローに入ったり、枯れ葉を取る役とそれを受け取り捨てる役に分けるなど、一つの作業を複数の工程に分けたり、メンバーさん同士をつなげて助け合いながら作業ができるよう配慮したりしつつ共に活動します。
おしゃべりしながら作業する方もいれば、黙々と作業をする方もいます。
こまめに休憩をとる方もいれば、休まずに取り組む方もいます。
一見バラバラのようにも見えるメンバーさんたちですが、
それぞれが「自分はまだできることがあり、自分のために、誰かのために役に立ちたい」という思いを持たれています。
目には見えない部分でつながっているのが、私たちBLGきのこらしさなのかもしれません。
仕事を終えた帰りの車中では、疲れたのか居眠りしているメンバーさんも。
BLGきのこでの一日の振り返りの際には、
「まだまだ元気があるど!!」
「今日はまあまあかな」
「特にないなー」
「あっという間に過ぎて、なにかした気がするけど忘れた」
など、それぞれの思いを自分の言葉で素直に語り合い、この日の活動が終わりました。
人生の大先輩方であるメンバーさん。
これまで培ってきた知識や経験から日々多くのことを教えていただき、私自身も成長できる居場所であるように思います。
これからも、メンバーさんのできる、したいことを一緒に考え、互いに支え、支えられながら楽しく活動していきたいです。