山登りへの挑戦、取り戻した自信@町田~BLGの活動報告
認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、東京都町田市にある、DAYS BLG!からの報告です。
お久しぶりです! DAYS BLG!(以下、BLG!)の伊藤です!
BLG!では、メンバーさんからの提案で活動が決まっていくことがよくあります。
山登りが好きなメンバーさんもたくさんおり、久しぶりに行きたいということで、町田で一番高い山の草戸山(くさとやま)に行きました。
山登りは不安というメンバーさんは津久井湖でゆったりハイキングに行きました。
草戸山(くさとやま)は町田市の最西端に位置し、八王子市、相模原市の境界線上にあります。高尾山方面、城山湖方面、町田市大戸方面のどちらからでも登ることができ、様々なハイキングコースに組み込まれています。
この日は町田市大戸方面の登山口となる大地沢青少年センターに車を停め、いざ出発!
標高は364mとそこまで高くないので、楽勝でしょ!とスタートしたのですが、
いきなりかなりの傾斜のある道が現れました。
それぞれのペースで皆さん必死に登りました。
メンバーさんの中には、歩行に不安があるAさんもいました。
登山を選択されるとは思っていませんでしたが、
以前から、Aさんが歩くときには近くに誰かいてくれると安心するとおっしゃっていたため、
スタッフが1人後ろで見守りサポートしながら登りました。
頂上までの道のりも残りあと半分ほど、他のメンバーさんはだいぶ前を歩いている中、
Aさんはかなりきつそうに登っていたので、思わず聞いてしまいました。
「(津久井湖じゃなくて)草戸山にしたのを後悔していますか?」
「後悔はしてないです。けど冒険しすぎましたね(笑)」
その後も、幾つもの難所を越えて草戸峠という少し開けたところになんとか到着しました。時間の都合で山頂へ行くのは断念し、ここで水分補給と記念撮影をして下山しました。
帰りの車の中でメンバーさんたちと1日の振り返りをしました。
「今日はどうでした?」という質問に対する、Aさんの「気持ちよかったです!」という言葉と気持ちの良い笑顔を見て本当に来て良かったと感じました。
そしてこの日の経験が自信になったのか、Aさんのご自宅での階段の昇り降りが以前よりスムーズになったことに、あるスタッフが気付きました。
他にも、昼食後、洗濯物を干すのを手伝うようになってくれるなどの変化も見られました。
メンバーさんたちの山に登りたいという思いを実現するだけでなく、
ご本人の自信を、挑戦を通して取り戻す良い活動になりました。