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高齢ドライバー増加、「認知機能検査」に行列 3カ月待ちに不安の声

認知機能検査の会場を提供する協定を結んだあいおいニッセイ同和損害保険の高橋裕副社長(左)と県警の重江光一交通部長=2022年3月3日午前11時14分、横浜市中区の県警本部、小寺陽一郎撮影

 【神奈川】高齢者が免許更新時などに受ける「認知機能検査」の予約が取りづらい状況が続いている。背景にあるのは対象となる75歳以上のドライバーの増加で、今後はさらに増えると見込まれている。状況を改善しようと県警は、損害保険会社と検査会場の提供に関する協定を結んだ。

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 「予約の取りづらい状況が慢性化している」。県警が認知機能検査を委託する県内約40の自動車教習所の一つ、青葉自動車学校(横浜市)の担当者は話す。

 過去2年半、常に1カ月半ほど先まで予約が埋まり、対象の高齢者からは「免許の期限は大丈夫なのか」と不安の声も寄せられる。別の自動車教習所の担当者は、新型コロナウイルス対策のため、検査1回の定員を減らした影響で混雑していると指摘した。

 認知機能検査は道路交通法の改正で2009年に始まった。対象は、免許を更新(3年に1回)したり、再取得したりする75歳以上。更新の場合は誕生日の約6カ月前から通知はがきが届き、会場の自動車学校や運転免許センター(横浜市旭区)を予約する。

 会場では記憶力や判断力を検査。結果によって高齢者講習を受けたり、医師の診断を受けたりする。認知症の疑いがあれば免許が取り消しになることもある。

 75歳以上の免許保有者は、21年末現在で県内に約30万3千人おり、同年中に延べ約12万1千人が検査を受けた。24年には75歳以上のドライバーが約38万人に増えるという試算もある。

 県警によると、平均で1~2カ月先の予約になることが多く、免許取得者が多くなる新年度を控えた今の時期は、3カ月待ちになる会場も。さらに、検査の後に受ける高齢者講習の予約にも時間がかかる場合がある。更新期限が迫った対象者は、同センターでの検査を優先的に案内するなどして対応しているという。

 こうした高齢者向け業務を拡充するため県警は昨年4月、「高齢運転者支援係」を立ち上げた。混雑緩和のため、公共施設で出張型の検査をしたり、同センターでの検査に試験的にタブレット端末を導入したりする対策を進めている。

 損害保険会社「あいおいニッセイ同和損保」(東京都)と県警は今月3日、「認知機能検査」の会場提供をめぐり協定を結んだ。

朝日新聞デジタル2022年03月15日掲載

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