いまを大切に生きている仲間たち~東京女子旅~
こんにちは、若年性認知症当事者のさとうみきです。
高知県からわたしに会いに来てくれた、
しのぶさんとの「東京女子旅」について、
これまでに「準備」と「1日目」をつづらせて頂きました。
今回は、2日目としのぶさんが帰途につくまでを記録や写真を見返しながら、
そのときの笑い声、笑顔をみなさまにもお伝え出来ればと思います。
初日は東京駅近くのホテルに宿泊し、2日目は八王子市へ。
DAYS BLG! はちおうじに到着し、
待っていて下さった守谷卓也代表とメンバーさんと一緒に
みんながポスティングをしている場所へと向かい、合流しました。
チームに分かれてポスティングを進めていきます。
どうしても、しのぶさんにこの曜日のメンバーさんに会ってもらいたいと思いました。
なぜなら、これからしのぶさんが活動していくために、
認知症にはたくさんの症状があることを知って頂きたいと思ったからでした。
視空間認知機能障害などの症状をもつご本人さんとともに、
ちょっとでも一緒に行動し、感じて頂けたら…… そんな想いがありました。
最初はさりげなく途中からメンバーさんと合流し、
わたしがメンバーさんとともに行動しながら、様子を伝えていきます。
するとメンバーさんも、こんな感じが怖いのだと、
そのご本人しか分からない感覚を、しのぶさんに伝えてくれました。
後半になると、しのぶさんはスムーズにメンバーさんに声かけなどして下さいました。
ついついわたしは……
「しのぶさーん、次はあちらを一緒にお願いしまーす♪」
なんて、ちゃっかりお願いしてしまいました。
一緒に過ごせる時間はあっという間に過ぎていきました。
次に向かったのは、アメリカ生まれのお母さまとともに様々な活動をなさっている、
村尾・メリー・香織さん(以下、かおりさん)が都内のご自宅で、地域の方との交流の場として開催している「ホームパーティ」。
到着するとお母さまは、ヘルパーさんや訪問看護師さんによるマッサージを気持ち良さそうに受けておられました。
そして、ご近所のお友だちの方々もご一緒におしゃべりされています。
みなさんの流暢(りゅうちょう)な英語に、たじたじのわたしとしのぶさん(笑)。
英語は話せないけれど、お母さまと語りたい。
ふとした瞬間を見つけて、3人で手を取り合って片言で語り合いました。
普段なかなか見られないご自宅でのご本人さんの様子。
他のお客さまが帰られてから、ついつい女子トークが盛り上がります。
かおりさんから、ご自身の想いだけでなく、お母さまや、介護家族、若者介護者への温かい想いを伺うことが出来ました。
発信活動をする上で、わたしは自分の経験だけでなく、介護家族、若者、未成年の介護(ヤングケアラー)についても学びたい気持ちはあります。
当事者としての葛藤もありつつ、でもそこはしっかり家族の声も大切に伺っていきたいと思います。
介護家族に元気がなくなってしまえば、認知症のご本人さんの元気、チカラも出てきません。
それは、私自身、発達障害の子どもの子育てで感じられたことにもつながります。
わたしが疲れ果てて元気もパワーもなくなって、子どもへの支援ができなくなってしまっていた時は、子どもの気持ちは乱れていました。
子育てと介護が一緒だとは言えませんが
ご本人、ご家族の同時の支援の大切さを実感しております。
かおりさん、お母さまのご自宅をあとにしながら、
しのぶさんともお互いの想いを語り合ったかと思います。
そして、この日はわたしの家の近くのホテルに宿泊し、翌日は一緒に羽田空港へ。
航空会社の「介助サービス」を利用し、別れの時間は近づいてきます。
2泊3日の「東京女子旅」は、しのぶさんとの実際の出会いだけではなく、
お互いに目には見えない「何か大切なこと」を感じられる時間でした。
そして、高知県に戻ったしのぶさんからFacebookを通じてラブレターを頂きました。
たった3日で、こんな風にわたしを受け止めてくださったことに驚きとありがとうの気持ちがあふれます。
(以下、しのぶさんのFacebookの投稿より)
- さとうみきさん
みきさん、東京行って良かった
会えて嬉しかった。
沖縄に行くから一緒に行かない?
と、誘ってくれた時は、行けなくて
沖縄から帰って直ぐ、会いに行くってメッセージしたら
直ぐ、予定合わせてくれてありがとう。
ホテルの手配も、慣れない私の代わりに
やってくれたり、介助サービスも利用したら
便利だよと教えてくれたり。
初日は、お迎えに来てくれました。
私の進行具合がわからないから、あの手、この手で
わかりやすいように、アテンダントしてくれ
「疲れてない?」
「大丈夫?」
と、いつも気遣ってくれた。
BLG! に行った時も、
「これから活動するなら、色んな症状の事も勉強しといた方がいいから」
と、いっぱい教えてくれた。
かおりさんの家では、
お母様といつも、同じ目線で話すみきさん
貴女の優しさが溢れてました。
みきさんは、心の目がいっぱいついてる
みきさんは、優しい心がいっぱいある人
優しいけど、時にはこれはこうだと思うんだよね
と、助言してくれたり。
みきさんは、優し過ぎるから
疲れる時あるかもしれない
みきさんは、心の目がいっぱいあって、些細な事も
他の人以上に、目を配るから
しんどくなるときあるかもしれない
そんな時は、私が居るからね
高知から、すっ飛んで行くからね
みきさん、ありがとう
貴女に会えた事は、私の宝物です。
忘れないからね
さとうみきを
これからも宜しくお願い致します
しのぶより
約3年前にお互い、東京と高知で同じテレビドラマを見て、若年性認知症の診断を受け
「不安」「絶望」の闇の中からFacebookでつながり
出会いから2年半過ぎてのやっとの初対面
これから、しのぶさんのやりたいことをわたしは応援していきます。
同じ、母として、妻としての葛藤や想いを共感し合える大切な「心友」「認友(認知症の友達)」
コロナが落ち着いたら、今度はわたしが高知県へ遊びに行きたいな。
やはり、当事者同士のつながりの大切さ、
そこから広がって行く、
地域の支援のつながり、役割の大切さを改めて感じ、考えさせられました。
認知症になっても住みやすい街
それは、認知症がなくても誰にとっても住みやすい街になるのです。
しのぶさん、また会える日を楽しみにしています。
夢を語っていたしのぶさんは前を向いて、輝いていました。
ともに、いまを生きる。
いまを大切に生きている仲間たち。