デイケアのスタッフです。利用者家族の文句が細かいです【お悩み相談室】
構成/中寺暁子
作業療法士の松本剛史さんが、認知症の様々な悩みに答えます。
Q.デイケアのスタッフをしており、認知症の利用者のご家族の対応に困っています。作成したリハビリのプログラムに細かい要望を言ってきたり、車でお迎えの際に少しでも遅れると文句を言ってきたりします(28歳・男性)
A.大切な家族のこととなると、感情的になってしまうものかもしれませんね。作成したリハビリテーションのプログラムは、利用者本人や家族の要望も反映されたものだとは思いますが、身体状況や環境の変化に伴って、最初とは異なる要望が出てくるのは、自然なことだと思います。
このため、まずは家族の要望が対応可能なものなのかどうか、一度検討してはいかがでしょうか。もちろん、デイケア側の見解と相違した内容もあるかと思います。その場合は、利用者の状態を専門的に評価(判断)したうえで、家族にデイケア側の意図を説明することが大切だと思います。専門的な知識をもとに、丁寧に説明すれば、理解してもらえるのではないでしょうか。
利用者本人と家族の要望が異なることもあります。本人としてはできているつもりでも、家族から見ると、できていないということもあります。例えば歩いていてつまずいたときに、本人としては「たまたま、つまずいただけ」という認識でも、家族は「以前はこんな場所でつまずかなかったはず」ととらえると、リハビリに対する要望も変わってきますよね。こうしたことは多々あるので、専門的にしっかり評価することが大事になってきます。
車でのお迎えの遅れに関しては、遅れないことが大前提ではありますが、交通事情などでやむを得ないこともありますよね。予定より遅れる場合があることは、事前に説明して理解してもらったうえで、サービスを利用してもらうといいと思います。
細かい要望に対応するのは大変だとは思いますが、私自身は「もし自分の家族が利用したら」ということをイメージするようにしています。そうすると疑問や要望が出てくるのは、当然のことだと思えるものです。
【まとめ】デイケアの利用者の家族が、リハビリプログラムへの要望が細かく、お迎えが遅れると文句を言ってくるときには?
- 要望が対応可能かどうか検討し、不可能であれば、専門的な知識をもとに家族に丁寧に説明する
- 交通事情などで送迎が遅れる場合があることは、事前に伝えておく