【新連載】当事者スタッフみきです。仲間とつながって、ココロの声を届けます
はじめまして。
新しく、連載を始めることになりました、さとうみきです。
東京都内のデイサービスで「当事者スタッフ」として働いたり、当事者の経験や思いを講演したりしています
きっかけは2019年5月に、なかまぁる特別プロデューサーも務める丹野智文さんと、初めてお会いしたことでした。その年の1月に若年性アルツハイマー型認知症と診断されたばかりの私でしたが、さまざまな葛藤を経て、認知症の当事者の方々や支援者ともっとお話がしたいと言う気持ちになっていることをお伝えしました。
丹野さんから返ってきた言葉は「町田と八王子におもしろい活動をしているデイサービスがあるよ」。そこで後日、Facebookを通じて、東京都八王子市のデイサービス「DAYS BLG!はちおうじ」代表の守谷卓也さんや、そこに参加している当事者の方と繋がることができました。
6月になって、何気なくFacebookに地元の市役所で紹介された「東京都多摩若年性認知症総合支援センター」の面談日を投稿したところ、守谷さんから「明日会いに行きますね」と連絡をいただきました。
当日はかなりの大雨でした。
気持ちが落ちこみそうな自分に「がんばれ!」と言い聞かせながら支援センターに到着。守谷さんは、センター長の来島みのりさんと共に長時間、これまでの経緯と、たくさんの私の不安に耳を傾けて下さいました。
初めて「DAYS BLG!はちおうじ」に遊びにうかがったのは7月です。
住宅街のなかにある一戸建てのデイサービス。
印象的だったのは、アットホームで優しく明るい空気が流れ、メンバーさん(BLG!では利用者をメンバーさんと呼びます)の笑い声が絶えず聞こえることでした。スタッフとメンバーさん、お互いの信頼があるからこそ成り立つフラットな関係性に驚かされました。
ひとつ屋根の下の家族のような光景は、私が当初思い描いていた「介護」のイメージとは全く異なるものでした。
私の住んでいる地域には診断直後の若年性認知症の当事者にとっての居場所がありません。引きこもりがちになっていた私を気にかけて下さった守谷さんは、BLG!はちおうじが居場所にもなればと「働いてみませんか?」と提案してくださったのです。
ビックリした私は思わず、「当事者の私が働いてもいいんですか?」と聞きました。守谷さんは「当事者だからとか関係なく、居心地が良かったら一緒に楽しく活動しませんか?」
ずっと不安の中、暗いトンネルの中にいる思いで、毎日ひたすら涙を流していた私にとって、その提案は、トンネルの出口を示す明るい光のように感じられ、その光に少しずつ少しずつ進もうと、前を向くことができた言葉でした。今でも大切に記憶に残っています。
翌週から早速、私もBLG!はちおうじに通い始め、当事者スタッフとしてメンバーさんとの活動がスタートしました。この連載では、当事者ならではの想いと視点、時には当事者の「ココロの声」を伝えていければと思っております。
至らない点ばかりかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。