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兄貴が入院!?~DAYS BLG ! の活動報告

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最近は新型コロナウィルスがニュースでも多く取り上げられて、インフルエンザやノロウィルス等はその影に隠れてしまいました。そして連動するようにマスクや手指の消毒薬などがドラッグストアから消え去っています。しかし、インフルエンザやノロウィルスには気を付けたいところですね。

ところで今回はDAYS BLG ! (以下、BLG ! )ムードメーカーであるメンバーさん、通称「兄貴」が入院してしまったことが始まりでもあります。風邪をこじらせ、そして腹痛もあることから病院受診をされ、そのまま点滴処置を受けつつ、入院となってしまいました。ここまでは、よくある話。しかし「兄貴」はナント、両手首&両足首&胴体を抑制され、更には手にミトンまで被せられるという状況。このような状況なので、自身で食事をすることもできず、全介助(口をあーんと開けるだけ)。更には翌日に車いすへ移されたのですが、車いすでも抑制。その状態のまま就寝!!これは異常です。

この一報を娘さんから受けた前田は、悔し涙が出てきました。出張中で何もできないこともありましたが、何よりも20年前と変わっていない、ある病院の実態に怒りすら覚えたのです。電話とSNSを使用して娘さんとやり取りをしたのですが、とにかく退院しなければ「兄貴」にとって不幸ですし、家族も後悔するでしょうし、我々も、このような入院を続けることによって仲間がいなくなってしまうかもしれないという恐怖に耐えられませんでした。

そこで娘さんに提案したのが『サ高住+BLG ! 』という選択肢。当初は入院継続を考えられていたのですが(というよりも一択しかなかった)、上記理由から「兄貴」を「助けなきゃ!」という思いで頭がイッパイになったのです。しかし前田は遠く離れた出張先。そこでスタッフに連絡して泣きながら「理事長命令だ、やれ。」と指示を出したのです。指示を受けたスタッフも涙声でしたが、「一人を救えなければ、皆を救うことはできない」と理解し、即行動に移してくれました。その結果、数日で退院となりました。サ高住の空き状況、金額、そして自由度をリスト化し、娘さんへ手渡すこともできました。何よりもスタッフがメモ書きした「病院よりも圧倒的な魅力溢れるBLG ! での生活を取り戻す」という内容に、これまた前田の目頭が熱くなったのです。

娘さんに連絡すると、返信には、「お騒がせしてごめんなさい」「父には罪悪感しかない」という言葉がありました。何故、家族が謝らなければならないのでしょう?何故、罪悪感を持たなければならないのでしょう?それは間違っている異常な世界だと、前田は言いたいのです。最近よく耳にする「認知症フレンドリー社会」という言葉。もちろん、内容は賛同しますし目指すべき方向だと思います。実際に、前田もそこを目指して活動しています。しかし、現状は表面だけがキレイで足元の世界は異常な世界が横たわっているということも残念ながら認識しなければならないのです。

 風邪をこじらせて、またはインフルエンザやノロウィルス、はたまたコロナウィルスに罹患しただけで、全身拘束されてしまう可能性があります。認知症を持っているだけで。

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