お悩み相談室

着たきり雀の認知症の義母 傷つけず着替えさせたい【お悩み相談室】

介護事業に携わる井上信太郎さんが、介護経験を生かして、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.義母(78歳)が2年前に認知症になり、もともとお洒落な人だったのですが、最近は毎日のように同じ服を着ていて、私が指摘すると怒り出します。義母の気分を害さずに着替えてもらうにはどうすればいいでしょうか?(50歳・女性)

A.お母さんは「自分にとってこの服が一番である」という認識をしっかりお持ちなのだと思います。もともとお洒落な人ですから、その服が自分を最も美しく見せる、ということなどがわかっているのかもしれません。もしくはボタンが多い服をうまく着られなかった経験があり、その服だと着脱しやすいという理由で着続けているのかもしれません。できない自分をわかっていて、迷惑をかけたくないと思っている可能性もあります。

どんな理由であれ、お母さんの価値観をおかす権利は誰にもありません。家族が清潔さを最優先に考えて「汚れているから着替えましょう」「においがしますよ」と言って着替えるように説得しようとすると、お母さんのプライドを傷つけることになります。毎日着替えるのが当たり前という考えは、一つの価値観でしかないのです。

とはいえ、実際に汚れていたり、においがしたりすると、家族としては困りますよね。本人が着替えることを納得できるような言葉を見つけられるといいですね。お洒落の観点から着替えたがらないのであれば、「この服だともっと素敵になるかも」と代替案を出したり、着やすさを重視していそうであれば、着脱しやすい服を用意したり、いろいろ試してみるといいと思います。

ここまで自分の価値観をしっかり持っているお母さんなら、服が汚れているということも認識できているのかもしれません。言葉一つで気持ちは変わると思います。お母さんが納得できる言葉がどこかにあるはずなので、ぜひ探してみてください。

【まとめ】本人の気分を害さずに着替えてもらうには?

  • 着替えるように説得しようとしない
  • 本人の価値観を尊重し、プライドを傷つけない
  • 本人が納得できそうな言葉を見つける

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について