「いつまでもお元気で」ありえない願いをあえて、贈る言葉にする
《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

熱中症。冷房完備が整った施設に暮らしていても、起こるものは起こる。

「いつまでもお元気で」それは高齢の方に私がよく使う、常套句のようなもの。

人の死にいつまでも慣れないまま、また夏が通り過ぎてゆく。
何十年、介護士をしても、
高齢の方との会話に慣れることはありません。日々、勉強と感じます。
このマンガは去年描いたものなのですが、
今ではあえて「いつまでもお元気で」という言葉を使うことがあります。
それは、生きる気力を無くした高齢の方に、
心からこの言葉を贈るとき、
伝わるものがあると、気づいたからです。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
