認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

自宅を忘れがちな母に居場所を用意する 認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。お母さんの心が落ちつく場所は、おいしいご飯が並ぶ食卓でした。

※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません

豚肉ととうもろこしの炒め物

母は、だんだんとデイサービスと家の区別ができなくなった。デイサービスから帰宅し、何もすることがないと「帰ります」と言って出かけようとする。ケアマネージャーさんに相談すると、「家の中に、お母様が安心できる居場所を作るといい」とアドバイスされた。
どうしたらいいのかよくわからなかったが、母が手持ち無沙汰にならないよう、タオルを畳むなどできる家事を見つけ出し、頼むことにした。トマトを切ったり、とうもろこしの皮をむいたり、下ごしらえもできる。
しばらくすると、母は「疲れた、もう帰りたい」と言い出す。私は「お母さん、疲れたと思えるうちが花よ、やることがなーんにもなかったら、ぼんやり人間になっちゃう。疲れるくらいやることがあるのは、いいこと。なーんにもやらなくていいと言われたら、どう? 面白くないでしょう? 疲れたと思えるうちが花」と、長ゼリフを言って気をそらす。
私は花よ、花よと言いながら、頭をフル回転させて大急ぎで夕食の支度をした。

母に、電子レンジで蒸したとうもろこしの皮をむいてもらった。
「さっきのとうもろこし、豚肉と合わせたよ」
「あら、おいしそうね。いただきます」
食べ始めると安心するのか、食卓が母の居場所になることがわかった。

豚肉ととうもろこしの炒め物

とうもろこしは1本なら鍋でゆでるより、電子レンジ加熱が手軽です。粒をすべてほぐしてしまうと箸でつまみにくいので、削ぎ切りにして、口に運びやすくしました。とうもろこしの甘さでおいしくいただけます。

材料 2人分

豚ロース肉(薄切り)180g
とうもろこし 1本
玉ねぎ 1/4個
にんにく(薄切り) 1/2かけ分
サラダ油 大さじ1/2
塩・こしょう 各少々

作り方

  1. とうもろこしは皮ごとラップで包んで電子レンジ(500W)で5分ほど加熱する。あら熱がとれたら皮をむき、縦にそぎ切りにする
  2. 玉ねぎは薄切りにする
  3. フライパンにサラダ油とにんにくを入れて弱火にかけ、にんにくの香りが出てきたら玉ねぎを加えて透き通るまで炒める
  4. 3に豚肉を加えて炒めて火を通し、塩、こしょうをふる。1のとうもろこしを加えて、軽く混ぜて火を止める

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