仏壇で色あせたおみくじ発見、読んでみたら……認知症の母が喜ぶ毎日ごはん
撮影/百井謙子
フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。かんなん多けれども後からかならずよかるべし。色あせたおみくじの不思議。
※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません
ふと仏壇の引き出しが気になって開けてみると、色あせたおみくじが出てきた。ほかには何もない。運勢は「吉」。よく読むと、「このみくじにあたる人は、たとえば苦しき山路をこす旅人のごとし、くらう、かんなん多けれども後からかならずよかるべし。病人いしやをかえるか、くすりをかえてよし」とあった。祖母から受け継いだ仏壇なので、いつのおみくじかはわからない。
実際、母は主治医を変え、薬を変えたら別人のように穏やかになったので、このおみくじに書かれている通りなのだ。そういえば閉めたはずの仏壇の扉が開いていたことが何度かあり、妹に子どもたちのいたずらかどうか確認したことがあったのだが、「仏壇には触っていない」と言うので、おかしいなあと思っていた。ご先祖様からのメッセージなのだろうか? いま思い出しても不思議な話だ。
薬を変えたら、ピーマンの種とりや、いんげんの筋とりに集中できるようになったので、母に下ごしらえをお願いすることがあった。
さやいんげんの豚ひき肉炒め
筋とりをしたさやいんげんをまとめて調理します。炒めたひき肉に水溶き片栗粉を回しかけることでまとまりが出て、食べやすくなります。しょうがの香りで食欲アップ! たっぷりのピーマンや絹さやでもおいしくできます。
材料 作りやすい分量
さやいんげん 15本
豚ひき肉 160g
サラダ油 大さじ1と1/2
しょうが(みじん切り) 大さじ1
酒 大さじ1
しょうゆ 大さじ1/2
みりん 大さじ1/2
片栗粉 小さじ1
作り方
- さやいんげんは筋をとり、長さ4cmに切る。酒、しょうゆ、みりんは合わせておく
- フライパンにサラダ油大さじ1を入れて熱し、さやいんげんを炒める。焦げ目がついてきたらいったん取り出す。フライパンは洗わずに3へ
- フライパンにサラダ油大さじ1/2を足し、しょうがを炒め、香りが出てきたらひき肉を加えて炒める。ほぐれてきたら1の調味料を回しかけてさらに炒める
- 3に2のさやいんげんを加えて炒め合わせ、小さじ1の水で溶いた片栗粉を回しかけて全体を混ぜる