認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

具だくさんの食べるスープで便秘知らず 認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。排泄を促す食事とお祈りで、腸閉塞の再発予防を。

※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません

鶏肉とれんこんとセロリのスープ

「食べたり、飲んだりするとうんちやおしっこが出て困る」

母はそう言って、食事や水分を控えたがることがあった。私は「お母さん、どちらも出ればよし、出ない方がずーっと困るのよ」と、明るく切り返す。

もう数年前になるが、70歳の誕生日を迎えた数日後に腸閉塞の手術をしたので、便秘は厳禁だ。再発が心配で、ことのほか排便コントロールには神経を遣っていた。しかし母は便座にお尻をつけただけで出るものが出た気になり、反射的にトイレットペーパーを丸めて流し、すぐ立ち上がりトイレから出てきてしまう。

とり憑かれたように、トイレと食卓の往復を繰り返すことがあった。数回なら目をつむっているが、顔に疲労の色がにじむほど続くときがあり、対応策を考えていた。手がペーパーホルダーにいかないようにするにはどうしたらいいだろうトイレまで一緒に行き、ひじをひざの上あたりに置いて手で組んで、お祈りポーズをしてと声かけをしてみた。その姿勢で「うん様、お願い出てきて〜」と祈りを捧げる。

便のことは、「うん様」と呼んだ。「うん」に「ち」をつけると、「出ると困るもの」と、母が気にするかもしれないので、あえて「ち」は、省略していた。

すると、ペーパーのことから気が外れ、出すことに気持ちが向くようになった。お祈りポーズ作戦、成功! スッキリ出してもらうためには、声かけも食事も大事。便秘予防に具だくさんの「食べるスープ」を作っていた。

鶏肉とれんこんとセロリのスープ

れんこんとセロリで多くの食物繊維がとれます。大豆の水煮を加えることで、風味がよくなり、味わい深くなります。栄養源になる鶏肉やれんこんを優先して食べてもらいたいので、スープは少なめに注ぐのがおすすめです。食べて気持ちよく出すこと、健康維持の秘訣はこれに尽きるように思います。

材料 2〜3人分

れんこん 150g
セロリ(葉先の方) 1/2本(50g)
鶏もも肉 160g
大豆水煮 50g
サラダ油 大さじ1
酒 大さじ1
塩 少々
しょうゆ 小さじ1

作り方

  1. れんこんはよく洗い、皮をむかずに乱切りにする。セロリは粗みじん切りにする
  2. 鍋にサラダ油を入れて熱し、鶏肉を炒め、表面が白くなってきたられんこんを加えて炒め合わせる
  3. 水360mlを注ぎ入れ、酒を加える。沸騰したら弱火にしてふたをして10分ほど煮る
  4. セロリと大豆を加え、軽く煮て、塩、しょうゆで味を調える

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