「中田哲行さん」WATASHI 戸﨑美和が撮る当事者
戸﨑美和
写真家であり社会福祉士でもある戸﨑美和さんが、当事者の一瞬を切り取りました。どのようにファインダーをのぞいて、どういうタイミングでシャッターを切ったのでしょう。その内側の世界は?
中田さんと初めて会ったのは、ふと思いついて企画した神矢さん(2018年11月29日『太郎と花子』で掲載)の絵画展会期中のこと。そこで名刺をいただいてから随分時間が経ってしまったのに、ひょんなきっかけで再会できました(DAYS BLGはちおうじの守谷さん、感謝です!)。
1回目に会ったときから何かが心に引っかかっていて。中田さんの、飄々としながらも目の奥の強い光に会いたかった。
2回目は、中田さんの住む街のコメダ珈琲にて。
「次回は飲み会であおう!」と別れ、3回目は夜、「カンパイ!」から。その夜、長いこと語ったわけではないのに感情豊かに饒舌+みんなが笑顔で、その輪の中にいる中田さんの何とも言えない柔らかな表情を見て「いまだ!」と思いました。やっとシャッターを切れた瞬間!
戸﨑美和さんが、撮影中に交わしたキラリと光る“コトバ”を集めました。
「中田哲行さん」のコトバ
「やりたいことかぁ(少しの間)いま仕事してるからね。やっぱり仕事はいいいですよ。週末が近くなると、電車のなかの雰囲気が変わってね――」(細やかに情景を話してくれて、色鮮やかに目に浮かぶよう)
「仕事をする前は行きたい場所がなくてね。じゃ、デイサービスにでも行こうって思っても、自分の住むエリアじゃなきゃダメだっていうんだよ、市役所はさ。んで、BLG(※)を探して顔出すようになったんだよ。電車乗り継いで。家もあるから引っ越しできないじゃない」
(後日メールで)「私も楽しい時間になりました。また、再会しましょう」
※DAYS BLGはちおうじ