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へもでもできるもん

不仲な娘からの電話に仏頂面で応じた父 その直後に思わず出た本音

現役のケアマネジャー「へも」の周りでおこる出来事を、本人が描きおこします。
会社で役職に就いていて、無駄にプライドが高い江羅総太さん(67)は、妻の和江さん(67)、娘のぶり子さん(37)と暮らしていました。ある日、総太さんが自宅で突然、倒れて入院。
ぶり子さんの彼氏であるへもが、総太さんの担当ケアマネになりました。聡太さんが退院して自宅に戻った翌日、へもはケアマネとしての江羅家の初訪問を終えました。総太さんのことを心配しているへもに対して放ったぶり子さんの驚きの言葉とは…。父と娘の関係に変化は訪れるのでしょうか?

へもが娘ぶり子さんの家を訪問してから数日後 へも宅 「退院してからお父さんは転んでない? 家具などに手足をぶつけてない?」
「えー・・・。父の顔を見たくないし、会話もしたくないから、どうなっているのか知らない」「おいおい・・・なんだって!?」
「ぶり子がお父さんのことを大嫌いのなのは知っている。でも、俺はぶり子が悩んでいたから担当ケアマネになったんだよ。それなのに、お父さんがどうなっているのか分からないって・・・」長い・・・説教が長いよ・・・
「分かったよ・・・今、電話して聞いてみる」しぶしぶ「おお!! 見事な行動力だ。今聞くのはすばらしいぞ。頑張れ!!」
「あ・・・お父さん・・・退院してから転んだり、手足をぶつけたりしてない? 大丈夫?」「え・・・あ? ぶり子? うん、そうだな。今のところ問題ないぞ」
「転んでないみたい。大丈夫そうよ」「良かった」「父と話すだけで疲れる・・・ハア」「ぶり子ナイス!! よく頑張った」
一方、江羅家では 「あら? 誰と電話していたの?」「ああ・・・ぶり子から。転んだりしてないか? だって。私をバカにしてるのか・・・」「珍しいわね。明日は雪ね。夏だけど」
「ああ・・・ぶり子が大丈夫かって聞いてくれた・・・」「え!? ぶり子が!?」「ハハハ」父総太さんは娘からの電話が嬉しかった

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