好きなことやってもだんねぇざ!@大野~BLGの活動報告
認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、福井県大野市にあるBLG大野(福井県民生協大野きらめき)からの報告です。
はじめまして、BLG大野の坪内です。大野市は福井県の東部に位置し、周りを山に囲まれた城下町です。雪解けによる水が豊富で、作られるお米や野菜、そしてお酒がとてもおいしいところです。
BLG大野は福井県民生活協同組合が運営するグループホームです。2023年4月に大野きらめきの5つ目の部門として開所しました。現在、9名のメンバーで生活しています。
朝のお茶の会では玄関掃除、ゴミ出し、ご飯の支度、皿洗いなど、1日の家事のさまざまな役割分担をみんなで決めています。
さらにやりたいことをお聞きするのですが、一番人気はやっぱり野菜作りです。1年目は市内の畑をお借りしてキュウリ、トマト、オクラ、サツマイモ、大根、白菜などを育てました。
「サツマイモ終わった場所に、次は白菜を植えようと思うんや」
「今日植えたで、収穫は80日後やね」
「追肥をしたいから、肥料を買いに行ってこよう」
と育てる野菜の種類、土づくりから収穫までメンバーさんがリードしてくれます。シロウトな職員は毎日メンバーさんから教わることばかりでした。もちろん、採れたての野菜は食材となります。
「今年はもっと売ることを考えんとあかん」と、2024年もたくさんの野菜を育てる計画をされています。
また、BLG大野の近くに図書館があります。ある夏の暑い日のこと、
「今日は借りていた本を返しに行きたいです」
「今日は暑いから車で行きましょうか?」
「いえいえ。歩いて行きたいです」
とメンバーさん。98歳の方ですがグループホームに入居された直後は「足が痛くて歩けない」とおっしゃっていましたが、最近はどんどんと歩くことを前向きに考えておられます。
後日、再び図書館へ行くと、2ヶ月後に行われる「図書館まつり」で館内を飾る星形の型抜きの作製をお願いされました。緑色の画用紙を星形になるように切っていく作業です。メンバーさんたちは預かった画用紙に鉛筆で星を描く人、それをハサミで切り取る人に分かれて作業を始めました。自然と作業が分担されていきました。そして、1ヶ月間掛けて約1000個の星を作り上げました。
図書館まつり当日はみんなで飾り付けを見に行きました。
「うわあ! あちこちにいっぱい飾ってくれている」
「やったかいがあったな」
「そうそう、役に立ったと思うと気持ちいいね」
とメンバーさんもスタッフもしい気持ちになりました。
「また、何かお願いしますね」と図書館の館長さんから言っていただけました。
今後も地域にある施設、学校、保育園、お店などとつながっていき、地域に暮らしている人同士の心の交流を続けて、お互いがよりどころになっていけたらと思います。
今回は2つの活動をご紹介しましたが、これからもメンバーさんが好きなこと、やってみたいこと、そしてみんながワクワクするようなことを一緒にやって、ご報告したいと思います。