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“やりたい”の実現と、地域につなげること@丹南~BLGの活動報告

木材の寸法を測る作業中
木材の寸法を測る作業中

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、福井県越前市にあるBLG丹南(福井県民生協 丹南きらめき)からの報告です。

みなさん、こんにちは。福井県のBLG丹南です。
1年過ぎるのが早いもので、BLG丹南としてスタートして4年目に突入です。そして、新型コロナウイルスが5類に移行し、少しずつですがこれまでの社会や日常に戻りつつありますね。

さて、そんな世の中ではありますが、BLG丹南もメンバーさんの「声」をもとに、新しいことへチャレンジを始めました。一つは「廃材Project(プロジェクト)」。
実は、1人の男性メンバーさんからのこんな声がきっかけでした。

「何か作ることをやってみたい!」

昔は眼鏡を作っていた職人さん。何か作ることが得意とのことで…早速、地域の住宅会社に、住宅を建てたときの廃材を頂くことはできないか相談することに。
すると、廃材は全て捨ててしまうからということで快く廃材を頂くことができ、早速メンバーさんに相談しました。

「さて何を作るかな」
「木材だから椅子やろ? いや、強度が弱いかな。他に何かないのか」
「積み木とかどうだろうか」
「まな板も出来ない?」

色んな意見が出始めました。じゃあ、まず作れそうな…ということで、「積み木」からスタート。
木材の寸法を測るメンバーさん、カットするメンバーさん、削るメンバーさん。それぞれの行程を分担して積み木を作り上げていきます。

木材をカットし、削るメンバーさん
木材をカットし、削るメンバーさん

さて、どんな積み木が出来上がるか、そしてこの先の展開はまだ相談中ですが、保育園や幼稚園に寄付、お世話になった方へのプレゼントなど、アイデアはいっぱいです。とても楽しみなプロジェクトです。

もう一つのエピソードは、地域の保育園や幼稚園とのつながりです。
実はこれまでも、メンバーさんの縫った雑巾などを寄付するなど何度か足を運んでいました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でつながりがストップしていました。

そして今回、改めてメンバーさんと保育園・幼稚園と訪問することに。
「私、子ども好きだから一緒に何かできるといいわね」

「何かできることはないですか?」
メンバーさんが園長先生に相談すると、園長先生より、
「園としても、もっと地域とのつながりを作っていきたいです」
「是非、子どもたちへの紙芝居の読み聞かせや、おもちゃの消毒などできないかしら?」

すると、メンバーさんが
「オリジナルで物語を作るのが得意なんです!」
「紙芝居、いいわね。私やるわよ」

と早速、図書館に寄って紙芝居をレンタル。BLGに戻ってすぐさま紙芝居の練習が始まったのです。

紙芝居の練習
紙芝居の練習

これまた驚きで、すごく感情の入った読み聞かせ! 他のメンバーさんもびっくりの状況でした(笑)

これから、園と打ち合わせを重ねていく予定です。

メンバーさん本人の「声」や「想い」を聴き、それが地域とつながったことで、役割や“やりたい”が実現した。そんな2つのエピソードでした。

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