認知症とともにあるウェブメディア

お悩み相談室

活動的だった妻 心臓病で倒れた後引きこもりがちで心配【お悩み相談室】

ソファに腰かけるひと、Getty Images
Getty Images

訪問介護管理者の滝口恭子さんが、高齢者や介護の様々な悩みに答えます。

Q.昨年妻(75歳)が心臓病で倒れ、一命はとりとめたのですが、それ以降家に引きこもりがちになりました。以前は活動的で、友人と旅行に行ったり、一人でも買い物や美術展によく行ったりしていたのですが、今は誘っても「おっくうだから」と断られ、心配です(76歳・男性)

A.心臓病で倒れたというのは、相談者の妻はもちろん、相談者自身にとっても大変なことだったと思います。「一命をとりとめた」という言葉から手術をされたことが推測できますし、入院期間も長かったのかもしれません。手術、入院による体の負担は高齢になるほど大きく、筋肉も落ちているので、体力的に自信をなくしているのではないでしょうか。

また、大病を患った後なので、服用しなければならない薬が複数ある可能性があります。高齢の方が外出を嫌がる場合の原因として、トイレの問題もあります。特に利尿作用があるような薬を服用していると、トイレの心配は大きくなります。外出先ではすぐにトイレが見つからないこともありますし、探している間に失敗してしまったという経験があると、なおさら不安は大きくなります。

高齢の方は「おっくう」という言葉を使うことがありますが、印象としては「絶対に嫌」というわけではないと感じます。なぜおっくうなのか、理由がわかるといいですね。トイレの問題であれば、外出先としてトイレにすぐに行けるような場を選ぶといいと思います。

主治医からはどのようなアドバイスをされているでしょうか。「なるべく歩いたほうがいい」もしくは「無理しないほうがいい」といった話があると思いますが、「1日何分くらい歩く」など、具体的に指示してもらうようにすると、妻も安心して外出できるかもしれません。

デイケア(通所リハビリテーション)や訪問リハビリを利用して、リハビリの一環として、理学療法士に一緒に外出してもらうのも1つの方法です。病気のことを理解したうえで、心拍数などを測定しながら外出するなど、無理のない計画を立ててくれるはずです。デイケアであれば、同じような経験をしてリハビリしている利用者もいると思うので、仲間がいることでやる気につながることもあります。

体力が回復してくれば、外に出たいという気持ちも自然と湧いてくるのではないでしょうか。ご夫婦で少しずつ、いろいろな場所に出かけられるようになるといいですね。

【まとめ】妻が心臓病で倒れて一命をとりとめて以降、家に引きこもりがちになったときには?

  • 外出をおっくうに感じる理由を探る
  • トイレが近いなどの問題があれば、トイレの環境が整った外出先を選ぶ
  • 体力面で自信がなければ、リハビリの一環として理学療法士に一緒に外出してもらう

 

 

≪お悩みの内容については、介護現場の声を聞きながらなかまぁる編集部でつくりました。≫

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について

認知症とともにあるウェブメディア