老人ホーム検索サイトの「空き1室」はホント!? 選び放題かと思いきや…
いつかはやってくると思いつつ、ついつい先送りしてしまう親の介護の準備。関西在住のイラストレーター&ライターのあま子さんもそんな一人。これまで一人暮らしを続けていた母が、2022年正月早々に転倒。骨折→入院→認知症発症という経過を経て、突如、母の新たな住まい探しを迫られることになりました。まず、やったことは、インターネットの「老人ホーム検索サイト」でググってみることでした。
母の住まい探しに活躍したのがインターネットの「老人ホーム検索サイト」でした。
複数の会社が提供していますが、基本はどこも似た感じで、希望条件(地域、料金など)を入力すると、条件に合う施設がサクッと出てきます。施設内外の写真とともに「費用の概算」「サービス内容」「付帯設備」「受け入れ条件」などが瞬時に見られるのですから、初心者にはめちゃくちゃ助かるサービスです。
わが家の最寄り駅で検索してみると、近くに高齢者住宅はたくさん出てきました。「選び放題やん♪」と思いながら希望料金で絞り込んだところ、数は激減(泣)。
めげずに検索を続けてわかったのですが、私の住むA市は、隣のB市と比べると料金高めの施設が多いようです。
幸い、私の家はB市にも近いため、範囲を広げて探すことにしました。その結果、自宅から徒歩15分ほどの場所にサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を発見。
「空き1室」とあったので、すぐに見学の申し込みをしました。
見学2:2022年8月 B市のサ高住
今回も母と一緒に見学。施設は閑静な場所にあり、近くに買い物できる店などはありません。外観は淡いピンク色。3階建てで部屋数は40室程度。入り口にはピンク色の靴箱があるなど全体的に優しい雰囲気でしたが、ここでも、高齢者の集団を目にすると、やはり圧倒されてしまいました。
※お年寄りばかりの光景に親子でひるんだ1回目の施設見学についてはこちらから。
- <施設情報>
●敷金15万円
●1カ月の料金:家賃、共益費(水道光熱費込み)、食費、介護保険負担額 あわせて約16万円+医療費、電気代、生活消耗品代など
●部屋:個室18.00㎡ トイレ・洗面台・IH付キッチン・収納スペース・エアコン・緊急通報装置(ナースコール)
●食事:施設内で調理
●人員配置:夜間は1人
●特徴:入浴は週3回
施設案内をしてくれたのは30代前後の男性Oさん。
まず、部屋や食堂、浴室などの案内をしてくれました。6畳ほどの部屋には、ミニキッチンもあり、簡単な調理も可能。冷蔵庫や電子レンジの持ち込みもでき、これまでと似た環境で生活できそうです。
残念だったのはトイレにドアがなく、カーテン仕切りという点。
まず頭をよぎったのは、「あの臭い」は防げるのだろうかということ。つぎに、立ち上がりにふらついた場合、カーテンだと体を支えられず転倒しないかということ。車いすならカーテン仕切りは便利だけど、母にはどうだろう?
施設内見学後は、サービス内容や費用について説明を受けました。
その際、「お風呂は週3回入れます」と強調されました。
そして、私ははじめて知ったのです。高齢者施設のお風呂は週2日を基本としているところが大半なのだそうです。お風呂好きの母には残念な話…。
さらにショックだったのは、コロナ禍で面会・外出は禁止ということ(ホームページには外出・面会自由とありましたので、コロナ禍ゆえの対応なのでしょう)。
当然だけど、いろいろ制約があるなぁ。
母は聞こえているのか、いないのか、黙って下を向いていました。
迷っていたら… えっ、満室?
私が、入所について迷っていると「いまは満室なので~」とOさん。
えっ、満室? 「空き1室」は埋まっちゃったのかな。人気のためか順番待ちは受けておらず、問い合わせをもらった際に空きがあれば案内するとのこと。残念なようなホッとしたような…複雑な気持ちで見学を終えたのでした。
【感想&後日談】
私が使った老人ホーム検索サイトについて、もう少し書いておきます。
1:リストアップした施設に一括して資料請求できる便利機能もありますが、頼んだ施設以外からも資料が送られてきました。(利用規約には書いてあったかもですが…)勝手に個人情報を提供された気がしてモヤモヤしました。
2:資料到着後、検索サイトの人から連絡があり、希望すると見学予約もしてくれます。私は自分で予約したのですが、それでも、その後たびたび電話がきて、進捗(しんちょく)状況などを聞かれました。
3:検索サイトでは「空き1室」となっていても、施設に「満室」と言われたことが、その後も何度かありました。施設が見学者を増やすためにしているのか? はたまた、現在の入居者とのバランスで新規の人を選んでいるのか? 理由は謎のままです。