認知症とともにあるウェブメディア

みんなが心開いて「素」になれる場所 

メンバーとともに発信@諏訪〜BLGの活動報告

畑作業

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、長野県諏訪市にあるBLG諏訪(小規模多機能型居宅介護 宅老所いぶき)からの報告です。

こんにちは!BLG諏訪の宮﨑です。
BLG諏訪は、「支える側」「支えられる側」ではなく、互いに支え合えることを大切にしながら日々を過ごしています。その中から2つの体験をお話しさせていただきます。

1つ目は、スタッフの採用に関することです。全国的に介護の働き手が不足していると聞きますが、私たちの会社でも採用は大きな課題となっています。
採用の機会としては、ハローワークで定期開催されている“ミニ面接会”(求職中の方に対して企業がPRできる場)があり、これまでに私たちも参加をさせていただいていますが、実際に採用までつながることは容易ではありませんでした。
そこで、BLGメンバーのMさんに「求人を出してもなかなか応募がなく困っている」「これからともに過ごす新しい仲間を一緒に見つけてほしい」と面接会への参加を相談したところ、「私で良かったら…」と快く引き受けてくださいました。

ハローワーク“ミニ面接会”へいざ出陣!緊張の中でしたが、お互いに「この人がいるから大丈夫」と心も支え合って臨みました
ハローワーク“ミニ面接会”へいざ出陣!緊張の中でしたが、お互いに「この人がいるから大丈夫」と心も支え合って臨みました

面接会の流れとしては、まず参加企業が短時間でPRを行います。その後、参加者はPRで興味を持った企業ブースに行く、という形で行われます。
PR後、BLG諏訪のブースには参加者のほぼ全員が話を聞きに来てくれて、「メンバーのMさんを見て、私も頑張らなくちゃと思った」「BLG諏訪で働きたい」といった声をいただきました。面接会の後でMさんは、「長時間で久々に緊張したが、こういう刺激がたまには必要と思った。お役に立てて良かった」と、清々しい顔をされていました。
後日、このミニ面接会を通じて新しい職員を採用することができ、Mさんと喜び合いました。本当に感謝しています。

ハローワーク“ミニ面接会”のブースにて
ハローワーク“ミニ面接会”のブースにて

2つ目は、地元商工会議所とのつながりができたことです。
BLGで行っている「ハタラク(はたらく)」を、地元企業を含め様々な人に知ってもらい、日常生活の中により多くの選択肢を広げていきたい、と考えたことがきっかけでした。
その後、商工会議所から広報誌への掲載と事前取材の申し込みをいただき、当社の代表者と、メンバーのYさんで取材に応じました。

取材が苦手な代表者の表情は硬く、はじめは緊張の雰囲気の中で始まった取材でしたが、Yさんが場を和ませてくれました。次第に「本当はやりたいことがある。諦められない趣味がある」と自然体で思いを語るYさんを中心にインタビューが進んだことで、代表者はホッとした表情を浮かべていました。
写真掲載があると聞いて照れくさそうにしていたYさんでしたが、広報誌が完成する7月号を皆で楽しみにしています。

商工会議所の方の取材。緊張の中でしたが、お互いに「この人がいるから大丈夫」と心強く感じていました
商工会議所の方の取材。緊張の中でしたが、お互いに「この人がいるから大丈夫」と心強く感じていました

「人はいつまでも支え合い、つながり続けることができる。たとえ年齢を重ねても、認知症となっても、介護が必要な状態となっても、諦めることなく自分らしく暮らし続けることができる」ということが、一日も早く社会の共通認識となれたら良いなと思います。
そのために、メンバーさんと一緒に外に出かける機会を持ち、様々な人と出会いながら、発信を続けていきたいと思います。

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について

認知症とともにあるウェブメディア