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仲間と一緒に輝き続ける

ただいま! DAYS BLG! はちおうじ

足どりはゆっくりながらも笑顔が満点。愛称は“総理”!
足どりはゆっくりながらも笑顔が満点。愛称は“総理”!

こんにちは、若年性認知症当事者のさとうみきです。

すっかり新緑がまぶしい季節ですね。
草木の芽吹きと同時に、そろそろわたしも外に出て行こうかと、
そんな思いが少しずつよぎるようになりました。

ちょっとずつ買い物や診察といった日常生活を戻すことができてきていました。
次は、どうしても気になっていたDAYS BLG! はちおうじ(以下、BLG! はちおうじ)のメンバーさんに会いに行きたい、との思いがこみ上げてきました。

当日、メンバーさんがいらしていることを確認しつつ、
「これから行きます」ということは事前には伝えませんでした。
少しずつ、少しずつ向かっていこう。
そうした気持ちで、自分を奮い立たせて出発し、八王子まで到着しました。

“総理”のお隣で、1番うれしいのは私かしら。がんばってますね!
“総理”のお隣で、1番うれしいのは私かしら。がんばってますね!

見慣れた住宅街のなかの一戸建て。
ちょうどそのころは昼食の時間でした。
誰もいないかもしれない。そんな思いの中、そっと、BLG! はちおうじの引き戸の玄関を開けました。

こころの中で
「ただいま……」カラカラカラ……(引き戸の音)。

メンバーさんは昼食に出かけていて留守でしたが、
代表の守谷卓也さんと久しぶりに、今までの話、これからの話を少しすることができました。
しばらくして、メンバーの皆さんが帰ってきました。

駄菓子屋さんの準備のために、学童保育への納品数を確認するシゲさん。バッチリ!
駄菓子屋さんの準備のために、学童保育への納品数を確認するシゲさん。バッチリ!

わたしはドキドキしながらも、メンバーさんに声をかけます。
「お久しぶりです!」
わたしの声かけに、
「おぉ〜、珍しいひとがきているね!」。
そういった言葉と、メンバーさんの素敵な笑顔を久しぶりに見ることができた喜び。

そして最後に一番気になっていたメンバーさんとの再会です。
さまざまな病気や圧迫骨折などにより、入院、自宅療養を余儀なくされ、
その後、ご自分ではご飯をお箸で食べることが難しくなってしまったメンバーさんでした。

以前はゆっくりながらもおひとりで召し上がることができていたメンバーさんでしたが、
入院中の全介助による食事(その時は必要だったのかも知れませんが……)で、
口まで運んで、全て食べさせてもらうようになったことなどによって、
ご自分で食事をすることが難しくなってしまいました。

忘れもしません。
退院後のこのメンバーさんと最後に会ったのは、昨年の12月8日のことでした。
わたしはこの日のことを記録に残しています。

悔しい、悔しい、と。
このメンバーさんへの想い、そしてコロナ禍で症状が進行してしまった先輩の皆さまへの想い。

わたしは、その後、BLG! はちおうじに出向くことはありませんでした。
怖かった…。
コロナ禍で“卒業”されたメンバーさんを見てきたからこそ。

はちおうじの看板犬のカツオ? 違うー! 守谷さんが新たなワンちゃんをお預かりして保護中です
はちおうじの看板犬のカツオ? 違うー! 守谷さんが新たなワンちゃんをお預かりして保護中です

昨年12月下旬から活動を停止していましたので、本当に久しぶりのBLG! はちおうじでした。

活動をお休みしていた間もずっと、守谷さんにそのメンバーさんの様子を伺っていました。
ご本人の「前を向いて生きていきたい」という強い想いを、
何とも言えず、感じていました。
そんな想いに応えるかのように、BLG! はちおうじのスタッフの皆さんが必死に、食事から歩行に至るまで、自立を促すように、本当にたくさんのことをしてくださったのでしょう。
メンバーさんと同様に認知症のある私にとって、大切な仲間への、スタッフの尽力には、ただただ感謝しかありませんでした。

いよいよ、そのメンバーさんとの再会。
メンバーさんは、ゆっくり、ゆっくり一歩ずつ足を前に運んでこられました。
わたしは思わず、メンバーさんを抱きしめ、再び会えたことを喜びました。

メンバーさんもわたしのことを覚えていてくださったようで、
涙を流して、なかなか言葉を拾うことができないくらいのか細く小さな声で何かをささやかれていました。
「わかってるよ、わかってるよ、おかえり」
そんな風にメンバーさんの心の声が聞こえてくるようでした。

振り返りの時間に、思わず「あー、やっぱりいいわぁ〜」を連呼して記念撮影
振り返りの時間に、思わず「あー、やっぱりいいわぁ〜」を連呼して記念撮影

あー、なんてあたたかいんだろう
BLG! はちおうじの空間、メンバーさん、スタッフの全てが……。

やはり世代を問わず、
わたしにとっての大切な人生の先輩でもあり
同じ“認知症という名の旅”に出発している仲間の存在は本当に大きいです。

これからも
仲間と一緒に輝き続けます!

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