認知症とともにあるウェブメディア

みんなが心開いて「素」になれる場所 

蘇えれ、BLGみとよの畑!~BLGの活動報告

収穫した野菜をこれから出荷できるように準備をします
収穫した野菜をこれから出荷できるように準備をします

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、香川県三豊市にあるBLGみとよ(小規模デイサービスセンター「うちん家」)からの報告です。

BLGみとよの村上です。
BLGみとよでは、畑での活動が多く、メンバーさんと共に作った野菜を昼食で使ったり、販売をしたりしています。
今秋、その畑に最大級の危機が訪れました。
一体何があったのか、その危機をいかに乗り越えたのか。
それをお伝えできればと思います。

今年の夏は猛暑のため、メンバーさんも夏バテ気味になり、畑での活動もそれまでに比べて少なくなりました。
すると、その隙をついて、一雨降るたびに雑草が勢いよく育ち、9月を迎える頃には畑一面に雑草が生い茂ってしまいました。

すると、メンバーさんから
「こんなに(雑草を)生やしたらどっちゃこっちゃならんぞ~」
「これ終(しま)いがつくんかいな」
「もっと(雑草が)小さいときなら、なんとかなったけど……。これでは地ごしらえもできん」
と草だらけの畑を見て、これまでよりもさらに畑での活動に対してやる気が低下していました。
どうすればメンバーさんの「やる気」を引き出すことが出来るか……。
何か仕掛けが必要だと感じ、まずはスタッフがやっている姿を見てもらおうと、草刈りを行いました。

芽が出たほうれん草の間引き風景
芽が出たほうれん草の間引き風景

草刈りを行い、少しずつ畑の草が減ってくると、メンバーさんも
「草刈りしよんか~、ほんなら草集めとこうか」
「乾かしてから終いせないかんな~」
「きれいになったら何植えようかな」
と少しずつ畑活動への意欲を取り戻していきました。

メンバーさんと力を合わせ、草刈りを終えると次は地ごしらえが始まりました。
「これ全部手で掘る言うてもなかなか出来んで~」
「トラクター使えたらええんやけどな~、どっかないんかな?」
と会話をしながら鍬(くわ)を使い耕していったのですが、土も硬くなっておりなかなか思うように作業が進みませんでした。

間引きした水菜の植え替え中
間引きした水菜の植え替え中

すると、メンバーさんの活動をしている姿を見た近所の方から
「畑きれいにしているな~、トラクターあるんな~?」
「これくらいやったら、トラクター使ってあげようか?」と言って頂き、無事に地ごしらえも終えることができました。

そして、草だらけだった畑も見事に蘇(よみが)えり、
今では玉ねぎやそら豆、スナップエンドウ、ほうれん草に水菜などたくさんの野菜が植わっています。
時には、メンバーさんからの声を待つだけではなく、メンバーさんのやる気を引き出す仕掛け作りをすることも大切だと思いました。
そしてメンバーさんがハタラク姿を見て、地域の方から声をかけて頂けたり、協力してもらえたりすることで、改めて地域の方に支えられているなと感じました。

きれいに蘇えった現在の畑
きれいに蘇えった現在の畑

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について

認知症とともにあるウェブメディア