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子どもたちとの紙芝居づくり@八王子~BLGの活動報告

授業にお邪魔しました!
授業にお邪魔しました!

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、東京都八王子市にある、BLG八王子(DAYS BLG!はちおうじ)からの報告です。

こんにちは!BLG八王子スタッフの谷村です。
今回は、4月に掲載した「地域と共に@はちおうじの日常〜BLGの活動報告」の回で、少しご紹介したインターナショナルスクールの子どもたちとの関わりについてです。

「Hello! How are you?」
校門で、BLG八王子のメンバーKさんの元気なあいさつが響きます。
毎週水曜日の午後に水槽そうじに行くことになってから半年以上が経ちました。
子どもたちの早口な英語に最初は圧倒されているメンバーさんもいましたが、
だんだん慣れてくると、果敢に英語で子どもたちに話しかけるメンバーさんもでてきました。
最近のKさんは、インターナショナルスクールの外でもずっと英語交じりで話しています(笑)

友達や家族のことを話に来る女の子。たまにそうじを手伝いに来てくれる男の子。
亀の水槽がある美術室には、子どもたちがふらっと立ち寄るようになり、次第に仲良くなっていきました。

そうじ中にやってきた子どもたち
そうじ中にやってきた子どもたち

最近では、子どもたちと一緒に紙芝居づくりに取り組んでいます。
BLG八王子では、定期的に八王子市内の学童保育所や小学校を訪ねて、メンバーさん自ら紙芝居の読み聞かせをしています。
メンバーさんたちの「もっと自分たちのことを知ってほしい」という思いからスタートしたこの取り組み。
その内容は、わたしたちBLGはちおうじのことや認知症について正しく知ってもらおうというものになっています。
ですが、紙芝居を作ったのは5年ほど前のこと。
登場人物のメンバーさんの多くはすでにBLG八王子を“卒業”されています。
「そろそろ新しい紙芝居を作らないとね。」
「いまの俺たちのことを知ってもらえるようにしたいね」
「この絵は前のBLGの場所だもんね」
そんな話が出始めていました。
以前の紙芝居も地域の子どもたちと一緒に作ったので、今回もインターナショナルスクールの子どもたちに相談してみようということになりました。

まずは、国語と美術の先生との打ち合わせからスタート。
多くの先生方は海外出身なので日本語があまりわかりません。
KさんとSさんが、頑張って英語で自己紹介したあと、通訳の先生も交えて話し合いました。
そして、紙芝居作りをきっかけに、子どもたちが認知症について学べる機会にしようということになりました。

BLGにやってきた子どもたち
BLGにやってきた子どもたち

こうして、メンバーさんたちとインターナショナルスクールの5年生たちとの紙芝居づくりが始まりました。
メンバーさんたちは、夕方のおやつの時間に、紙芝居を通してどんな思いを伝えたいのか、について話し合いを重ねました。
10月末には子どもたちがBLG八王子に訪ねてきて、一緒に活動をしました。
11月頭には、メンバーさんたちが、5年生のクラスの授業にお邪魔しました。
こうして互いを知り、思いを伝え合うことで、ストーリーが出来上がりました。
内容は、亀の水槽そうじをきっかけに、メンバーさんたちと子どもたちが交流を深め、認知症についても理解を深めていく内容です。紙芝居の絵は、子どもたちが考えて描いてくれました。
これからは、メンバーさんが、できあがった新しい紙芝居を使って八王子市内の小学校を回っていく予定です。

紙芝居の贈呈式
紙芝居の贈呈式

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