「もの忘れ以外にもあるんだよ」 女の子とわたし:4
こんにちは、さとうみきです。
DAYS BLG! はちおうじ(以下、BLG! はちおうじ)には、玄関を入った所に小さな「駄菓子屋さん」があります。そこで出会った常連のお客様、小学3年生の女の子との交流を、全5回のシリーズで、お伝えしていきます。4回目の今回は、「認知症キッズサポーター養成講座」に講師として参加した日のお話です。
講座はオンラインだったとはいえ、やはりかなり緊張していたのか、脳疲労を感じて、
掃除を終えてからスタッフにことわって、2階のソファで脳と体を休めていました。
すると、送迎から戻ってきたスタッフの物音がして、
すぐに続くように
元気な女の子の声が。
「あ、◯◯ちゃん(女の子のことです)来たな〜」
ちょっとお疲れなわたしですが、
そーっと、1階に下りていくと
女の子は「来たなぁ〜」とニヤリ。
スタッフから
「『みきちゃんは?』って、みきちゃんに逢いに来たんだよね~」
と、聞かされて、うれしくなるわたし。
女の子は別にそんなことないよ、なんて表情をしています。
スタッフが、オンライン講座のことを思い出し
「今日◯◯ちゃんが教えてくれたことを、みきちゃんが6年生にオンラインで話をしたんだよ」
わたしも
「そうそう、◯◯ちゃんが、『じゃくねんせい』認知症の漢字を知らなかったことがヒントになったから、その話をしたよ。ありがとうねー」
女の子は
「みんな何て言ってた?」
と、ちょっと満足そうな表情を浮かべ聞いてきました。
駄菓子を選んだところで、
わたしの体調を気遣ってくれたスタッフが
「◯◯ちゃん! 一緒に帰ろ〜!」
と、女の子に一足先の帰宅を促しますが
「えー、まだいる」
わたしは
「認知症の人は、体の疲れとは別に脳(頭の中)が疲れるんだよ。ゴメンね。また来てね〜」
素直に受け止めてくれたのか
女の子は急に私のスリッパを奪って履き、それを蹴り上げて
「明日は曇り! じゃーね〜」
そう言ってスタッフと元気に帰っていきました。
ごめんね。と、思いながらも
わたしとのやり取りから自然と
認知症の人の症状はもの忘れだけではないと感じ取ってもらえたらうれしい。
そんな想いを持って、
女の子とスタッフの気遣いに感謝しながら、見送りました。