『ぼけますから、よろしくお願いします。』
なかまぁる編集部
【この作品は…】
認知症と診断された母85歳、初の家事に挑む父93歳。娘が見た、ほっこりする愛と絆で溢れていた超高齢夫婦のリアルな介護の日常がここにあります。
【あらすじ】
「あけましておめでとうございます。今年はぼけますから、よろしくお願いします」。
陽気でしっかり者の母親が徐々に「出来なくなっていく」一方、家事はいっさい妻任せで90を超えた父親が「やらなければならなくなる」現実。「心配せんでもええ。あんたはあんたの仕事をした方がええわい」。両親の様子を時に涙ぐみ、夫婦・家族の絆を噛みしめつつ、父の気丈な言葉に背中を押されても、離れて暮らすことへの娘としての良心の呵責──。認知症はどう進むのか、家族に認知症患者がいるとはどういうことか、老老介護の現実とは……。それらを冷静に記録していこうとする取材者として、また娘としての2つの立場で踏ん張り、あるいはその間で揺れながらカメラを回し続けた著者が、同名映画に盛り込めなかった克明な親の「老い」の記録、そして見守り続けた子としての心境が綴られています。
【著者は…】
- 信友直子(のぶとも・なおこ)
- 1961年広島県呉市生まれ。東京大学文学部卒。森永製菓入社後、「グリコ森永事件」当時に広告部社員として取材を受けたことがきっかけで、映像制作に興味を持ち転職。制作プロダクションを経て現在はフリー。主にフジテレビでドキュメンタリー番組を手がける。「仕事が恋人」を公言し独身。2005年子宮筋腫により子宮摘出手術、2006年インド旅行中に列車事故で重傷、2007年乳がんを発症など波乱の人生。
【書籍データ】
- タイトル:『ぼけますから、よろしくお願いします』
- 著者:信友直子(のぶとも・なおこ)
- 判型:四六判
- 頁数:254頁
- 価格:1,364円+税
- 発売日:2019年10月24日
- ISBN:978-4-10-352941-5