増税反対!デモの備え?簡単ガスパチョ 認知症の母が喜ぶ毎日ごはん
撮影/百井謙子
フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。食欲をかき立てる声かけと、水分をおいしく補うスープで、夏を乗り切ります。
※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません
昭和19年生まれの母は、学生運動に積極的にかかわってきたこともあり、昔はよく政治の話をしていた。子育てをしながら、石けん運動や生協の活動も一生懸命やってきた。
新聞の切り抜きも環境問題や政治に関するものが多く残されていたが、認知症が進むにつれ、自然災害や時事問題への関心がだんだんと薄れていった。テレビが伝える大きなニュースが、ただの音になってしまったのは残念なことだ。
唯一、母が反応したのは消費税の増税問題だった。「安倍首相は庶民の暮らしがわかっていない。手紙を渡して抗議をしてきた」と息巻く。
「抗議活動おつかれさまでした。暑くて大変だったでしょう」と、声をかけると落ち着きを取り戻す。
「明日もデモに行ってきます」
学生運動に燃えていた20歳くらいの母が、いまの母に混ざり合っている。
「それならしっかり食べなくちゃね、熱中症にならないようにトマトのスープも飲んで」と、食べたい意欲を盛り立てる言葉がけを大切にしていた。
夏は、不足しがちな水分を野菜から補えるガスパチョがおすすめ。
ガスパチョ
暑い季節に気持ちよく飲める冷たいスープです。多めに作り、余った分は冷蔵庫で冷やして翌朝までに飲んでください。トマトとパプリカで鮮やかな赤い色に仕上げれば、見るだけで食欲がわいて元気になります!
材料 2人分
完熟トマト 1個(200g)
パプリカ(赤) 3/4個(100g)
きゅうり 50g
玉ねぎ 30g
にんにく 1/2かけ
サンドイッチ用のパン 2枚
白ワインビネガー 大さじ2
オリーブオイル 大さじ2
塩 ひとつまみ
きゅうり(飾り用・角切り) 1/5本分
クルトン 適量
作り方
- 種を除いたトマト、パプリカ、きゅうり、玉ねぎはざく切りにする。にんにくは芯を取って薄切りにする
- ミキサーに1の材料と水200mlを入れてかくはんし、サンドイッチ用のパンをちぎって加えて再びかき混ぜる
- 2がなめらかになったら白ワインビネガー、オリーブオイル、塩を加えてさらに混ぜ、冷蔵庫で2時間以上冷やす
- 器に盛り、きゅうりとクルトンを浮かべ、オリーブオイル(分量外)をたらす