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認知症の母に毎夜起こされる 睡眠不足で限界 専門家が回答

灯りのついたアンティークランプのイメージ

介護事業に携わる井上信太郎さんが、介護経験を生かして、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.同居している認知症の母(80歳)は夜中になると「誰かが来た」と私を起こします。その後はおしゃべりを始め、私も付き合わされます。日中、母は昼寝をしていますが、私は働いているので寝不足が続き、もう限界です(51歳・女性)

A.寝不足が続くことを当たり前のことにしないでください。介護のキーパーソンとなる方の寝不足が続くと、早い段階で限界がきてしまいます。それだけ夜間の問題というのは、重大だと捉えてほしいのです。

お母さんは「誰かが来た」と言っているので、幻視や幻聴があるのかもしれませんね。その場合、レビー小体型の認知症である可能性があります。服用している薬の組み合わせやほかの病気との関係で症状が顕著に出てしまうこともあるので、まずは認知症の専門医に相談してみてください。

幻視や幻聴がなかったとしても、認知症の人は不安を抱えがちで、睡眠トラブルはよくあることです。それでも日中は家の中で家族が動いていたり、やることがあったりして気が紛れています。それが夜間になり周りが静かになっていくと神経が研ぎ澄まされ、不安が押し寄せてくることがあります。認知症ではない人でも、そうした経験はありますよね。また、認知症の人は症状の一つである見当識障害によって、時間がわからなくなることがあります。夜間目覚めたときに時間がわからないと、静けさの中で孤独を感じ、さらに不安が強くなってしまうのです。そんなときに「何でこんな時間に起きているの!」などと家族から怒られると、二重に不安になってしまうと考えられます。

ご家族としては、お母さんは不安を抱えているかもしれないということを理解し、寄り添い、安心させるような声がけができるといいですね。「誰かが来た」と言われたら、「私が見てくるね」と返したり、時計を見せたり、テレビをつけたり、外を見せたりして夜中だということを認識してもらい、「もう夜遅いのでそろそろ寝ませんか?」とやさしく伝えることが大事かなと思います。

寝不足が続くのは心身ともにつらく、つい強い口調になってしまうかもしれません。でもお母さんを不安にさせないことが、夜間寝てもらうための一番の薬になるのだと思います。

【まとめ】夜間寝てもらうためには

  • 本人が不安を抱えていることを理解する
  • 夜中であることを認識してもらう
  • 安心させるような声がけをする

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