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誰もが自分らしくハッピー!でいられる居場所~新聞エコバッグ作りでつながる@岡保~BLGの活動報告

新聞紙で作ったエコバッグ
新聞紙で作ったエコバッグ

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、福井県福井市にあるBLG岡保(岡保きらめき)からの報告です。

こんにちは。福井県福井市にあるBLG岡保(以下、岡保)です。岡保では、事業所全体(認知症対応型デイサービス・小規模多機能型居宅介護・グループホーム)で活動を展開しています。

窓から見えるのは、辺り一面の田んぼ…。そんなのどかな景色の中で、地域住民やこども園さんと一緒に畑活動や掃除、お裁縫が得意な方たちが集まって誰かのために作るもの作りや、その他もろもろ。互いに助け合いながら、私たちは、そんな日常をメンバーさんと日々過ごしています。

今回は以前から行っている、新聞エコバッグ作りの活動の報告をさせていただきます!

新聞エコバッグ作りが始まったのは、2020年7月1日に日本全国でレジ袋が有料化されたニュースを見た時です。レジ袋に含まれるプラスチックが起こす環境問題だと分かり「自分たちのできる事をしたい!」という声から「きらめき工房メンバー」が集まりました。なかなか良いアイデアが出なかった時に、職員も考え、新聞で作る袋を紹介しました。

すると「昔は店で物を買うと、何でも新聞で包んでくれた。焼き芋もそうやろ? それと一緒やの」「それならみんなで作ってみよっさ!」という声が上がり、作ったものをスーパーマーケットに置き、買い物にこられる方々に利用していただきました。

日々コツコツと続けてきた新聞エコバッグ作り。その活動によって、ある日、思いがけない素敵なつながりができました。きっかけは、地域の方や市内の別の介護事業所様からいただいた「スーパーで見かけて、すごいと思った。作り方を教えてほしい!」「一緒にワークショップをやりませんか?」など、嬉しいお誘いでした。このプロジェクトの主役は、もちろんいつも新聞エコバッグ作りをされているメンバーの皆さんです。早速開かれた作戦会議では、活気あふれる声とアイデアが飛び交いました。

「新聞は、どれだけ持っていくといいかの?」
「来てくれた方に、温かいコーヒーを出したらどうやろ?」 
「お店の前で、呼び込み担当もいた方がいいんでないか?」

コラボさせていただいた皆さんとの予行練習もばっちり! そして迎えた当日、ワークショップではたくさんの笑顔があふれていました。

ワークショップの参加者をもてなすメンバーさん
ワークショップの参加者をもてなすメンバーさん

そして、活動は事業所の壁を越え、近所の薬局へ設置し販売、さらに祭りやサロンの開催時や農林高校、こども食堂にも設置されるなど輪が広がっていきました。環境や袋を利用される方へのお役立ちと、メンバーさんの「楽しみ、生きがい」へと繋がっています。

読み終えた1枚の新聞紙が、人と人、そして地域と私たちを結ぶ温かい架け橋になっています。この活動を通して生まれたたくさんの笑顔とご縁は、私たちにとって、何にも代えがたい宝物です。これからも、この温かい輪を大切に広げていきたいと思います。

届ける新聞エコバッグに一筆を添えるメンバーさんたち
届ける新聞エコバッグに一筆を添えるメンバーさんたち

 「今度は~したいね」というメンバーさんの声をカタチにしながら、これからも毎日をハッピーに過ごせるよう奮闘していきます!

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