日々、地域社会の中で@八王子~BLGの活動報告
認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、東京都八王子市にあるBLG八王子(DAYS BLG!はちおうじ)からの報告です。
こんにちは!
BLG八王子スタッフの谷村です。
今日も、八王子のメンバーさんたちの様子をお届けしたいと思います。
これまでにも何度かご紹介してきましたが、BLG八王子では、様々な社会参加活動をしています。
近所のHONDAさんの販売車の洗車や、地域新聞のポスティング、地元企業や一般家庭の庭や駐車場などの草むしりやショッピングセンターの植え込みの剪定(せんてい)などです。
今回は、とりわけ歴史が長い洗車の活動についてお話ししたいと思います。
洗車の活動は、HONDAさんの定休日を除く、毎週月・木・金・土曜日が活動日です。屋根のない場所で活動しているので、雨の日は中止になります。
もちろん、メンバーさんたちの意向を尊重し、参加希望者が自ら選択して活動に取り組みます。
HONDAさんも非常に理解があり、メンバーさんたちの体調等が最優先でいいと言ってくださっており、洗車を行うことは義務ではありません。そのため、普通に考えると、夏の暑い日や冬の寒い日なんかには希望者が全くいない、なんてこともあり得ると思います。
ですが、私の記憶にある限り、BLG八王子のイベント等の都合でお休みすることを除いて、参加希望が出なくて活動しなかった日は一度もありません。
最近は、冷たい水でぞうきんを洗って絞ったり、水でぬらした車体をぞうきんで拭いたりと、寒さがつらい季節です。日によっては、参加人数が少ない日もあります。でも、メンバーさんたちは休まず洗車に取り組んでいます。
ある時は、洗車を終えた後に、水道で手を洗っていたメンバーさんが「お湯が出た!」と言いました。お湯という言葉に「ほんとうか!」とみんな集まってきます。「お、ほんとだ。ほんとだ」とみんな水道で手を洗います。
でも、その水道は水しか出ないはず…。冗談が好きなメンバーさんが多いので、場を和ませるネタだったのか、はたまた寒い中の活動だったので、本当に水道の水の方が温かく感じたのか。とにかく、どんな時も休まないメンバーさんたちです。
BLG八王子では、午前中の活動を決めるミーティングを朝に、午後の活動を決めるミーティングを昼過ぎに行っています。その時にスタッフが、「今日は寒いから嫌だなっていう人は室内で活動してもいいんですよ」と言うこともあります。でも、メンバーさんたちは口々に「今日は(店が開いているなら)いかないとね」「洗車はやっておかないと」と言います。雨天が続くなどで、前回の洗車から日数が空いた時は、「そろそろやっておかないとまずいね」という話が自然と出てきます。
活動中に「楽しいですか?」と聞いたことがあるのですが、「そういうのじゃねえんだよな」と言うメンバーさんたち。
自分たちがやらないと誰がやるんだ!という自負や責任感を持っているメンバーさんが多いです。
中には、BLG八王子に来たばかりのころは洗車を避けていたメンバーさんもいます。でも、先輩メンバーさんたちの背中を見るうちに、だんだんと洗車に対する姿勢が変化していきました。いまでは、先輩たちと同じように、「行きましょう!」と周囲を巻き込むようになっています。
先日こんな場面がありました。
いつものように私たちが洗車していると、HONDAさんの営業マンの方がやってきて、「この車は、実はいま商談中なんだけど、お客様が前向きに検討してくださっていて。あとで実物を見に来て最終決定される予定なので、みなさんお任せしていいでしょうか」と声がかかりました。
メンバーさんたちは集まってきて、「それは売れるようにピカピカにしないとね」と言いながら最優先にその車に取り掛かっていました。
先日、HONDAさんが、あるテレビ番組のインタビューで、メンバーさんたちについて、「お客様からあの方々はどなた?と聞かれることがありますが、私たちのスタッフです!とお答えしています」と話されていたことを思い出しました。
メンバーさんたちの日々の取り組み姿勢が、周囲にも伝わっているんだと改めて感じた場面でした。
HONDAさんからは、もともと洗車を依頼されていましたが、加えて最近では、販売前の車を保管している河川敷の駐車場の草むしりも依頼されるようになりました。
一時的なイベントや、一過性の取り組みでなく、日常で社会参加に取り組むメンバーさんたち。その姿勢が、今日も社会参加の輪を広げています。