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認知症フレンドリー事業

毎年続けることで共感と理解が得られる 神奈川県医師会

オンライン県民公開講座「コロナに惑わされない! 私たちの生活を正しく守るには?」
オンライン県民公開講座「コロナに惑わされない! 私たちの生活を正しく守るには?」

朝日新聞社は認知症の人への理解を含め、ともに暮らす社会を考える「認知症フレンドリー事業」を展開しています。自治体や企業、学校などから依頼を受け主催者のみなさんと啓発活動に取り組んでいます。その取り組みの一端をご紹介します。

神奈川県医師会では毎年恒例で県民公開講座を開催しています。医師会の取り組みを県民に知ってもらうとともに、高齢者の課題についても学んでもらうことを目的に、朝日新聞社との取り組みは2019年から始まりました。
初年度は県民約50人を対象に、県病院協会長の吉田勝明医師が「認知症を正しく理解するために」をテーマに約60分の講演。その後、第2部で「認知症VR体験会」を実施しました。朝日新聞横浜総局が後援につき、県版紙面でバックアップ。募集告知と当日の様子を記事で伝えました。 

ところが、翌20年は新型コロナウイルスが蔓延し、公開講座が開けるような情勢ではなくなり、県医師会としても残念ながら中止の決定をせざるを得ませんでした。
しかし、感染状況は21年になっても続きました。一方で、県医師会としては「このまま県民のため何もしないわけにはいかない」との声が上がっていました。とはいえ、人が集まるイベントを開くわけにはいきません。そこで朝日新聞社に改めて相談がありました。

当時はどこも実地開催はできない状況。その代替としてオンライン配信でのセミナー開催が定着しつつある時期でした。そこで、朝日新聞社からは「県民公開講座のオンライン配信」を提案。県医師会にとっては初の試みでしたが、「感染対策だけにとどまらず、さまざまな情報に振り回されてしまうなど、漠然とした不安を抱え続けている県民の思いに応えたい」との考えから決断。企画段階から戸惑うこともありましたが、「オンライン県民公開講座 『コロナに惑わされない! 私たちの生活を正しく守るには?』」(約50分。現在も視聴可能)の配信が21年3月に実現しました。 

22年には徐々にではありますが、実地でイベントが開ける環境になってきました。そこで23年2月に「認知症フレンドリー市民上映会」と「認知症VR体験会」を採用。県医師会講堂ホールで映画「ケアニン~あなたでよかった~」を上映。ロビーではVR体験コーナーを設置して、約50人の県民がイベントを堪能しました。
県医師会理事の池田信之医師は「認知症の人と、それを支える側の両方の視点から認知症のことを考えてもらえました。今後も県民のためになる企画を続けていきたいです」と話していました。

23年度は「認知症VR体験会」「認知症フレンドリー市民上映会市(オレンジ・ランプ)」を県内の3医師会と組んで実施しました。

■開催日 2019年~2023年
■イベント名 県民公開講座
■実施内容 認知症フレンドリー市民上映会、VR体験会ほか

※「認知症フレンドリー事業」の詳細はこちら

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