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子どもたちとのふれあいを通して@みとよ~BLGの活動報告 

園児と一緒に藁を巻いて門松作り
園児と一緒に藁を巻いて門松作り

認知症の人と「ともに生きる拠点づくり」を進める100BLGは、同じ思いを持つ全国各地の事業所とともに「学び合いのプラットフォーム」となるネットワークをつくっています。各事業所は、それぞれの土地柄や文化に合わせたかたちで運営されています。今回は、香川県三豊市にあるBLGみとよ(小規模デイサービスセンター「うちん家」)からの報告です。

2024年も明けてそろそろふた月が経ちますが、今回はBLGみとよでの年末年始のお話をさせていただきたいと思います。

BLGみとよでは毎年、施設の玄関に飾る門松作りをメンバーさんとともに行っています。
門松に使う材料もメンバーさんと一緒に集め、竹を切りに近くの山に行ったり、南天や梅はメンバーさんが自宅から持ってきてくれたり、松は地域の方から頂いたりしながら作っていたのですが、今年は近隣にあるこども園から、園児たちと一緒に門松作りができないかと依頼を受けました。

依頼を受けたことをメンバーさんに伝えると、
「竹を切りに行かないかんな」
「竹は節ごとに長さをそろえた方がきれいになるんではないか」
「松のけっこい(きれいな)のが最近はないからなぁ~あるか山で見てみる」
と、やる気満々でした。

門松作りに向けて材料を集めていると、昨年まで頂いていた松が今年はなく、メンバーさんと一緒にいい松がないか、町中を探しました。
すると、みとよの近くにある工場の敷地内にきれいな松が生えているのを見つけました。
メンバーさんとともにその工場に足を運び、門松を作るのに松が欲しいことを伝えると「それはいいですね!」と快く松を頂けることになりました。

無事に材料も集まり、いざ当日。
こども園に着くと18名の園児たちにお出迎えされました。

まず初めに、準備していた樽(たる)に藁(わら)を巻きつけました。
園児たちに藁を押さえてもらい、その上からメンバーさんが「括(くく)るけん、よぉに持っとれよ」と縄で括り付けていきました。

樽が完成すると、今度はメンバーさんが竹を支え、園児たちが次々に土を入れていきました。
「しっかり土を入れとけよ」
「こっちの方が少ないけん、こっちに入れとけ」と言葉を交わしながら作業が進んでいきました。

しっかりと土を入れています
しっかりと土を入れています

最初は園児たちも緊張した様子でしたが、時間が経つにつれてメンバーさんと打ち解け、門松作りをしている横でメンバーさんと遊んだり、「この赤いの(南天の実)は食べられるの??」と質問したり、その度にメンバーさんの顔には笑顔が見られました。

出来た土台に園児たちが飾りつけを行い、メンバーさんも
「どれ飾るんな」
「好きなのを選びなよ」と声をかけながら門松が完成しました。

帰りには子どもたちから「また来てね~」と声をかけられ、とてもうれしそうな顔をされていました。

「また来てね」
「また来てね」

そして年が明け、今度は園児たちがBLGみとよにやってきて、一緒に門松の片付けを行いました。

園児たちがやって来たことでメンバーさんもいつも以上にやる気満々で、ノコギリを使って竹を半分に切ったり、鉈(なた)を使って割ったりする姿を披露し、それを見た子どもたちからは「すごい!」「割れた!」と大盛り上がりでした。

気合を入れて一刀両断
気合を入れて一刀両断

その後は無病息災を祈り、一緒に焼きみかんを食べ、楽しい時間を過ごしました。
普段はあまりない子どもたちとのふれあいの中で、いつも以上にメンバーさんのいい笑顔が見られました。

無病息災を祈って焼きみかんを食べました
無病息災を祈って焼きみかんを食べました

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