ヤングケアラー調査隊

【新連載】そうそうヤングケアラーね…って私もか!元当事者が取材します

「ライター&漫画家の青山ゆずこと申します!」こんなマンガも描いております。『ばーちゃんがゴリラになっちゃった』「介護歴はおよそ7年! わたし自身も介護関係の取材を受けることがあります」

最近さまざまなメディアで「ヤングケアラー」と呼ばれる子どもたちがよく取り上げられています。でもぶっちゃけ、どのような存在なのか聞かれたら、あなたは即答できますか? 認知症だった祖父母の介護を7年間続けてきたゆずこが、いろいろな人たちに話を聞いてひもときます。名付けて「ヤングケアラー調査隊」。一人だけどな!

実は本人も自覚なし? ヤングケアラーってなんですか?

私、マンガ家兼ライターの青山ゆずこは、中学時代にひいおばあちゃん、25歳から7年間はおじいちゃんとおばあちゃんの介護に携わりました。(独学“ゆずこ流介護”で「ヤングケアラー」の日々を乗り切った連載はこちら
しかし、自分が「ヤングケアラー」だということは、介護を終えるまで意識していませんでした。この数年で似たような境遇の人たちの話をよく耳にするようになり、自分なりに調べてみると、自分の体験に重なる部分もあるものの、私の知らない「ヤングケアラー」の世界もあり、さらには日本の社会課題にもつながっているらしい!? 「卒業生」としてそのことをもっと多くの人に知ってもらう必要があるのでは?と思うようになりました。
そんな勝手な責任感を抱きつつ、一方で自分がもっと知りたいという衝動もあり、その現状や本質、問題点などを、長年研究をする方や現場の方などに話を聞き、明らかにしていきます。初回は私、ゆずこの体験談です。

昔講演会にお呼ばれしたとき・・・(事前打ち合わせ中)「あ、ヤングケアラーについてもお話をお聞きしたいです!」イイね
ヤングケアラーってなあに・・・? ぷるぷるぷるぷる 愛想笑いでやりすごす大人の汚いテクニック発動中 フフ・・・ This is Shittakaburi
・・・そのあとめっちゃマッハで調べたよね。汗ダラダラ・・・きゃあー
【ヤングケアラーとは】
◆両親や祖父母の世話や介護に携わっている18歳以下の子どもたち
(20代は厳密には「若者ケアラー」と呼ばれる)
◆介護が必要な家族への食事や入浴介助など直接的なケア以外に、介護をしている両親の代わりに料理や洗濯などを手伝ったり、兄弟の送り迎えや毎日のお世話などを日常的に行っている
厚生労働省の説明「法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています」

「ヤングケアラー」ってどんな子どもたち?

以下恥ずかしながら、ゆずこは元当事者にもかかわらず、ヤングケアラーについてまったく答えられないです。「テレビや雑誌、新聞ではなんとなく聞いたことがあるから、知った気になっているかも。てへっ♪」というレベルです。元ヤングケアラーでも、私のような方って、意外と多い気がする……。
20年以上前、私が中学生の頃なんて「ヤングケアラー」という言葉自体あまり浸透しておらず、20代になり、祖父母の介護にがっつり携わっていたときも、私はその存在すら知りませんでした。

ただ当時を振り返って一番しんどかったのは、介護のお手伝いや料理、洗濯、そして妹の世話などで自分の時間が圧迫されて疲れていても、やらなきゃいけないというツラさを“誰にも話せなかった”こと。というか、そもそも当事者は誰に何を話せばいいのかが分からないのです。だって、自分の状況がちょっと特殊という自覚がほとんどないのですから。「家族なら文句を言わずに助け合うのが当然なんだろうな」と、自分なりにツラさを押さえこんでのみ込んで、平然と生活していたような気がします。

私を苦しめた、ヤングケアラー「魔の3ステップ」…

「ヤングケアラー」「若者ケアラー」の何がどうツラいのか。そして、状況はどのように悪化していくのか。今思うとそれは、ゆっくりと段階を踏んで「より声を上げにくいしんどい状況」に陥っていたような……。

ストレスが積み重なって胃や心がキリキリといつも痛い・・・「美人薄命ってか・・・!」ぐはあっ!! どんがばちょっ!

まず第一段階。

家族から介護要員の一人として頼られると、どこか「大人の仲間入り」をした気持ちになりました。しんどくても、自分の時間がなくても、「頼られてうれしい!」が勝ってしまう。もちろん周りに相談しようなんて思いません。

第二段階。
ちょっと疲れてきた、自分の時間が欲しい。でも自分よりも疲れた顔をしている家族を見ていると、愚痴は吐けない。友だちに話しても分かってもらえない、同情されたり“変わった子”と思われたりしたくないから、必要以上に“普通”を装う。そして根本的に、どこで誰に相談したらいいのかが分からない。だから、黙る。

第三段階。
周りの大人にポロっと悩み?を言うと、「なぜあなたがそこまで」とか、「両親はなにやってるの!?」と言われる。学校の先生に話すと大抵親に筒抜けになる。家族を悪者にしたいわけじゃないのに、大変な思いをしているのは家族みんな同じなのに……。複雑な表情の両親を見て、「もう人には言わない方がいいかもしれない」と思う。自分がガマンできれば、丸く収まるんだ、と思い込む。

このような三段階を経て、当時の私はストレスや悩みをひたすらため込んでいたような気がします。

ストレスから食に走り・・・ポテトにシェイクちょい付けがまじ神 うまうまうーま
この結果・・・オッス! オラ、パンパン丸! めっちゃ肥えた。
ゆずこ’sポイント まんぷく感は満足感に直結! だから、食べるほど幸福感が増して満たされるまで食べ続けてしまうんだぜ・・・「でも心は満たされないのさ・・・」

大人になって気が付いた! 何も知らない当事者、ゆずこ

ここまで自分の体験を思い出しながら、好き勝手に元ヤングケアラー・若者ケアラーの思いを書きなぐってきましたが、ただこれはあくまでも私が体験し、感じたことです。でもちょっと待って。いったん落ち着こう。そういえば、ほかの子ども(若者)のケースはまったく知らないじゃないか。もっと別の悩みや困った状況があるのかもしれない…
それなのに偉そうに語っちゃうなんて、井の中の蛙じゃんか。恥ずかしい。

ちなみに、ちょっとググった(検索サイトのGoogleで調べること)だけでも、ヤングケアラーを取り巻くこんな情報が出てきました。

2021年4月に、厚生労働省と文部科学省が初めて実施した、中学、高校生を対象としたヤングケアラーの全国調査結果が公表された。その結果は、公立の中学2年生の17人に1人があてはまり、全日制の高校2年生では24人に1人が「世話をしている家族がいる」と回答(※)。
また、中学校、高校ともに、「世話をしている」と答えた6割り以上の学生が、「世話につて相談したことがない」と回答しているそうです。

調査研究(報告)(三菱UFJリサーチ・コンサルティング)
(公立の中学校1000校、全日制高校350校を抽出してどちらも2年生にインターネットでアンケートを行い、合わせて約1万3000人から回答を得たもの)

まじか。高校生の24人に1人って、各クラスに1人はいる割合ですよ。それに中学生はなぜかもっと多い。

うーむ・・・24人に1人ってケッコー多いような・・・※ゆずこの感想です

しかも1日に7時間以上を、家族の世話に費やしている学生が1割を超えているとか。学校に行って勉強して部活して。そこから7時間も自分の時間を取られるなんて、ほとんど友だちと遊べないだろうし、家で宿題をしたりゆっくりくつろいだりする時間も危ういはず。もしかした部活動にも支障が出ているかもしれません。

ほかにも、少し調べただけで、ヤングケアラーにまつわる条例や本格的な調査結果、今国が本腰を入れて動き出そうとしてること、そして子どもたちのために一所懸命活動している専門家のみなさんなど、興味深い情報が出てくる出てくる。

そんな「ヤングケアラー」を取り巻く状況をもっと詳しく知りたい、と思う自分がいることに気づいた私。ならば、第一線で活動している人や、専門家に体当たりで聞いちゃおう。そして、ヤングケアラーという言葉で一括りにするのではなく、実際にたくさんの子どもたちの話も聞いてみたい。
……そしてせっかくならば、どこかのメディアの仕事としてオファーしたら話を聞きやすいし、多くの人に「ヤングケアラー」のことを知ってもらえる!?と勢い勇んで「なかまぁる編集部」に打診してみたら、「ぜひ記事にしてください」とのありがたいお返事が。あざす!

そんなこんなで、なかまぁる発『ヤングケアラー調査隊』ここに誕生。隊と言いつつ、当面はゆずこの一人隊員、一人隊長です。仲間求む!(ヤングケアラーの体験談やお悩みなども大募集)

子どもたちが声を上げやすい環境を作るとか、負担を減らす!とか大それたことはまだ言えないけれど、当事者だから聞ける話、または反対に当事者だから知らないことがきっと山のようにあるはず。次回からプロフェッショナルのみなさんに、バチコーン!と体当たり取材を試みたいと思います。

◆次の話「家族でも無理なもんは無理 介護はブラックバイト?ヤングケアラー調査隊」を読む

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